最近祈願を依頼されるうつ病の人は多い。
うつ病の原因が霊障とまでは言わないが、病んでからあとで相関してくる人はけっこう多い。
ただし、それは霊障を除けばなおるというものでもない。
あまりいい譬えでないが腐ったものには蛆虫が湧くのとおなじだ。
腐ったもの自体をまず取り除かないといけない。
病は病として厳然としてまずあるからだ。蛆虫が先にあるのではない。
だが、そういう場合は病を治すという祈願のうちで密かに霊的な影響をはなす作業を並行してしておかなくてはならない。
先日、ある流派の護摩の作法をみて靈の滅罪について工夫があるのは極めて注目すべきだと思った。
霊の滅罪とは自分の滅罪に他ならない。
台密としては古い流儀らしいのだが私からしてみればその作法がほかの流派の護摩作法にないのは残念なくらいだ。
さてこうした場合、施主にあえて霊の話は一切しない。
その場合の祈祷はあくまで「病気平癒の御祈願」としてしか修さない。
別に来訪者に忖度する気はない。
だが、そんな話はいたずらに不安をあおるだけになろう。
そういう配慮からではないのだが、原因でないもは原因とは言えないし、それだけをいじっても仕方ない。
ハッキリ根本原因であればそれなりの対処が必要だが・・・。
面倒なのはなまじそうした感覚があって、霊の関与がわかるのでこれは全て霊の障りだと思い込んでいる人だ。
だがそれではよくならない。
だからこちらの方針は一切曲げない。気に入らねばよそにいって頂くだけだ。
オンデマンドの祈祷などしない。