金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

飯縄様と秋葉様

この間の土曜日、神保町で「江戸仏像事典」と云う本を手に入れました。師匠のお寺の聖天様が載っていますから欲しかったのですがぼやぼやしているうちに出回らなくなってしまい目にしたら買いたいと思っていた本です。(因みに写真の聖天様はご本尊ではありません。)
他にも秋葉権現飯縄権現が出ていますがこの両者の画像はしばしば混同されいます。もっともどちらがどうと云う絶対的な決め事が厳然と決まっているのではないのですが・・・。私の持っている結構気に入っている飯縄様の軸も箱書きは「秋葉権現」となっています。
どちらも狐に乗った迦楼羅神のお姿ですが、私は兜巾や結い袈裟等の修験の道具を身に着けていれば秋葉様なのだと考えています。なぜなら秋葉様は三尺坊さんという実在の修験者だった経歴の方ですから。髪の毛も秋葉権現のは八千枚護摩を修行をして天狗となったので不動様の様なカールした髪の毛に作ってあるお像も多いですね。
これに対し飯縄様は髪を怒らした炎髪で五體に蛇を巻きというのですから手足にヘビが巻き付いています。それを略しても飯縄様の頭上には白蛇を措くのが本義です。これは完全に蛇形で弁天様の頭上にいらっしゃる人ような老翁のお顔ではありませんがやはり宇賀神様だということです。
飯縄様は秋葉様と違いもともと人間ではありません。一説には震旦(中國)の天狗、智羅永寿ともいわれているようです。だから真言もオンチラチラヤソワカなんでしょうか。
この智羅というのは星の輝きや稲光という説もあります。つまり稲光の如く早くご利益があるので・・・とも云われています。
神道的には飯縄様はウケモチノオオカミといいますからお稲荷の一種ともいえるのです。どうりで狐に乗るわけですね。頂上の宇賀神さまは飯縄様の別な姿でもあります。
私的には秋葉様は「飯縄の法」の先駆者だと思います。そういうわけで当院にはお二方ともお祀りさせていただいております。