金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

アリに学ぶ徴兵制の愚かさ

安保法案が決まったら徴兵が始まるなんて心配している人もいるらしいけど・・・・、それをきいて驚きます。どうしてそう思うのかねえ?
これは無意味です。
いくら安倍さんを信用しないといっても・・・政府もそこまでバカじゃないでしょうよ。
では若し仮に徴兵するとすればどういうメリットがありますか?
今は槍や刀や散発銃で戦うわけじゃない。
中国だって人海戦術なんて時代じゃないです。
先ごろの抗日勝利軍事パレードで習近平氏は兵士の削減を口にしました。
 
軍事費はうなぎのぼりの増大ぶりなのにです。

現在、徴兵のある国はロシアを除くと大方発展途上国です

つまり旧式の武器を使う国です。
 
これは中国が兵器の最新化に成功したという証でしょう。事実パレードでは

新兵器が続々とくりだされたました。

その点、我が日本は先進国であり技術大国です。

近代兵器は軍事のプロの扱うものです。
いいかえれば人と人が戦うのじゃなく機械と機械が戦うのです。
ハッキリ言って戦は武器が優れている方が勝ちです。人数じゃない。
これは昔からそうです。まぎれなき事実です。
幕末にあった長州征伐、幕府軍16万の大軍に対して長州藩3万程度の軍勢。でも長州が勝ちました。幕軍の鉄砲は射程150メートル。対する長州は200メートルあったからです。
前の戦時中、高射砲を撃ってB29には届きませんでした。だから本土は丸焼けです。
一方、中国大陸では旧式の中国の武器を圧倒して終戦時まで日本軍は有利に展開していました。だから無条件降伏と聞いて大陸の軍隊は耳を疑ったそうです。
武器が優れていればまさに一騎当千です。敵と同じ頭数はいらないのです。
ましてやそういう最新兵器は槍、刀のように素人がにわかに使えるわけではないです。(槍や刀でもにわかには無理です)
とくに現代の戦争では民間人なんて足手まといです。
戦争大好きなアメリカでさえ兵士削減を考えています。
兵隊さん食わすのも大変だからです
第一、民間人が出て行かなきゃいけない時点で戦いはもう負けです。
プロが負けてるのに素人がノコノコ出て行って勝てますか?

織田信長という武将は知ってのとおり、天下統一まであと一歩というとこまでいきましたが、その強さの秘密にはこの人は初めて兵農分離を考えました。

従来は平時は農民。有事には兵士と云うありかただったのを、徹底して兵士は兵士。農民は農民と云う専業化をした人です。
これではじめて戦争になっても食料も心配せず、かたや強い兵士を練りあげることが可能になったのです。この方が合理的です。


それになによりも徴兵と云うのは生物の原則から言っても無駄なのです。
人間のように社会を作る生物にアリがいます。
アリは専門の兵士である兵隊アリがいます。このアリは普通のアリより顎も体も大きい。つまり戦闘のプロです。
よそのアリがせめて来たらこのアリが戦います。
で、ほかのアリはでていきません。いよいよ敗色が濃くなったら女王アリを逃がすよう運んだり、卵やさなぎを運びます。そして逃げます。
自分の何倍もある兵隊アリが破れているのに勝てるわけないからです。
それが一般のアリです。(でも戦争放棄のアリはいません。つかまれば抵抗しながら逃げます。
なぜそうなっているのか?
それは自然は最も効率の良い生き残りの策を彼らに授けているからです。

最後の一人までも戦う「一億玉砕」などというのは生物の原則から言えば気概だけならともかく現実には極めてナンセンスです。
なるべく、極力死なないこと。譬え戦争でもこれが最優先です。
古来、名将と云われる人はこれを極めて重く考えます。
戦は負けると決まっているのなら早く負けた方がいいのです。
負け方も兵法の内です。この前は日本は上手に負けることができなかった。上手に負けるには楠正成のようなしたたかさが必要です。
日清、日露と連戦で大国相手に勝ってきたのが災いしたのでしょう。
自然界の生き物はどうしてもという理由がない限り生死をかけた戦いなどはしません。
勿論一番いいのは戦わないこと。二番は戦うなら負けないこと
三番は負けても生き残ること これが原則です。

もし、若い人になにかを課するなら介護実習したらいいと思いますね。これからの日本は老人の国です。
今の介護士の数では人手が足らないでしょう。
人生の大先輩のおばあさまやおじいさまのうんちやおしっこを有難く処理させていただく。和顔愛語に勤める。
そういうとこから始めれば本当の人間が出来てきます。
興味本位で「人を殺してみたかった。」なんていうバカも少しは減ると思います。