金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

他心通




時々有りますね。「超能力者」や「霊能者」の行方不明者探究番組。この間もやっていたけど、ウ~ン残念ながら多くの場合見つからないですね。
無論限られた番組の時間内でやるのは土台が無理。
そういうことはショーではないのですし、勿論そこに出ていた方々が無能なのでもないでしょう。よく「当たる」評判のある人を連れてきているのでしょうから・・・。

でも、どうせ作るなら前々からもっと長期取材してめでたく「みつかった」のをやったらいいのにと思う。
無論、依頼者の家族も出てきて本当に行方不昧なのだろうから番組も、いくらなんでもそれを「やらせ」や「御ふざけ」では扱えないし、霊能者もそういう能力のある人々だと信じたいですが、でも結果的にほとんど見つからないのは何故?
家族しか知りえない情報は的確に当てながらも見つからない。

実は種を明かせばそういう場合は本当は彼らは千里眼ではなくテレパシー能力を使ってしまっているんですね。おそらくは。
自分でも気が付いていないうちにそうなることはよくある。
テレパシーは一番開きやすい能力でもあるからです。
仏教の六大神通でいう「他心通」です。
これって群れる動物なら全てある程度はみんな持っていると思います。

だから家族の心にあることはドンぴしゃりと反映させますが、全くあったこともない行方不明者本人となるとそこは格段に難しい。思うにそういうことでしょうね。
一度でもあったことあればそこで能力者の多くはほとんど自然に相手の「ダウンロード」が発生していますから、あとは必ずしも合わなくてもそれなりにはできますけど、はじめから知らない人は写真でも見るほかない。写真で全く遜色なくできる人はかなり優秀な能力者です。
占い師さんでも良く当たるという人は「他心通」が開けています。
だから相談者が「そうだ」と思っていることは的確に出てくる。
したがって「この先生は当たる!」となりますが、「未来予知」となると本来は別な能力ですからね。

ですから、それだけではほんとうはうまくいかない。
それはいわゆる「宿命通」が無いと駄目です。
「他心通」はあくまで相手が知っていることが当てられる。
だから未来云々の場合では余り本当は意味ながいけど過去は良く当たるというのはイメージでは未来も当たると思われがち。

実は過去を当てるのは未来予知よりはずっと簡単なはずです。
未来と過去は等価ではありません。未来は作られつつあるから可能性は無数にあり。過去はもう決定事項ですから難しさが違う。その中で確定要素だけを抜き出して当てるというのが実は占いとか未来予知という作業ですね。

かくいう私も占い程度はしますがマア、仏教的に言えばそういうことで未来は既に全て決まってできているのでもない。
したがって「当てる」ものではなくあくまで「予想」の類なのです。
私なんかはいってみれば競馬の予想のようなもんやね。
だいぶ昔のことだけど電話とったらいきなり「当たりますか!?」と名前も何もなしに聞かれた。
掛け合い漫才じゃないけど即座に「いや、当たりませんね!」というと、やや沈黙の後でガシャンときられた。
そういうわけで未来予知は当てものじゃございません。ハイ。