金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

エリクソン催眠を学びに行ってきました

エリクソン催眠を習いに行っていました。今回でこのコースは2クール目。
エリクソン催眠というのは技術としては暗示的な文章の読み聞かせをするのですが、いわゆる普通の催眠とは違い、トランス中にこちらから命令的に何かを指示するというより、クライエントが無意識で受け取れるようなスタイルの催眠であり、受け取るべきものをクライエント自身が選択していく幅がより大きな催眠です。
子供がそこから何かを受け取るように組み込まれた、いわゆるおとぎ話などにも同じ構造が見られます。

私自身がまだ良くわかっているとは言えないのでこの辺で説明的なお話はやめますが、此のエリクソンには神技的な逸話がいくつもあります。重度のアルコール依存の人に対し、「植物園にサボテンを見にいきなさい」と言ってなおしてしまった話はエリクソン催眠を学ぶ人たちの間では有名な話です。
クライエントは「サボテンは水なしで三年以上も枯れない植物」という簡単な知識のみを教えられて植物園に行きます。

此のクライエントの家は代々、父母も祖父母もアルコール依存者が輩出しており、そんな話を聞いたら遺伝的な傾向として心理療法的なこころみを諦めたり、あるいは我々祈祷をする者の世界なら先祖の因縁がどうこうという人もいることでしょう。
エリクソンはこうした原因的な問題の探求よりも起きている症状にあくまでフォーカスした人だそうです。
随って病名などには関心を払わなかったようです。
 
加持祈祷にもある意味同じことが言えるかもしれません。
因縁がどうとかこうとかとかいうより、あるいは酒を度を過ごして飲むという心のストレスがいかなる辺にあるのかより、おきている問題の解消ということが大事なんですね。
加持祈祷は。もちろんそういう原因探しによる解消もありますが、そこに突っ込みすぎると道を失うこともあるのです。

例としてときどきですが家出人がどこにいるか聞きに来る人がいます。
まあ、占ってもらって自分で探し出したいのでしょうが、まずうまくいかないですね。相手も動きますから。
それより家出人が結果として見つかったり、あるいは戻ればいいわけでしょう。
でもそういうのでなくどこにいるのかを知りたいという。そういうことを求めてくる。
果ては何で出て行ったのか、わかるかを占ってもらいたいとかいう。
そんなのは私知りません。
一応占いとして答えを出せるけど、そんなの当てになるかどうかは知りません。最近は面倒くさいのでそういうのはやらないと言い切っています。どうしても知りたいなら占い師にでもお聞きなさいというと「エ?」という。()
どこにいるか知りません。マア、でもあるいは戻すことはできるかも…とは話しています。