男天、女天ともに両方とも前を向いている聖天様のことです。
勿論二尊が抱きあう形は同じですがお顔のみが前を向いているのです。
羯磨とはカルマつまり作業の意味です。
これは願いを聞く姿勢がより強調された姿、つまり作業(働き)が積極的な尊天像といわれています。
ここ最近そういう聖天様をどういうわけかよく見かけます。
入手して一体はお弟子さんがもう一体は私の手元にありますが、比較的珍しいものなのです。
実際にお像によって効験が違うかどうかというのは拝む側の意識の問題がもっとも大きい影響があるでしょうが、もともと作った人の意志もあることでしょう。
金天とか銀天とか、尊天像の材質でご利益が大きいというのもつまる所はそういうことだと思います。
ふつう拝むのには側面から浴油をするのですが、これだと正面からになります。
大体、仏像はすべて正面から拝むものです。聖天様だけが違う。
仏画でも仏像でも正面を向いていないものは礼拝像ではなく、美術品の範疇だと思います。
そういうわけで羯磨型の聖天様だとつまりは聖天と向かい合って修法するわけです。
実際浴油をして拝んでみるとその分、コンタクトしやすい感じだなということは言えますね。