金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

本物の狐が出た話


今日、信徒様から「慈光稲荷」(荼枳尼天)さんの御幣を拙寺でもらった前後あたりから、「なんと庭にキツネがよく出てくるようになったんです。大丈夫ですか?」という電話が来ました。
霊とかじゃなく本物。
まあ、地方の話だからこちらが思うほどそう不思議じゃないのかも・・・。
も出てきてはじっとこちらを見ているので怖い。
こんなことはかってない。という・・・
なんか障りのあること知らずにしているからかもという電話・・・
それからツバメが五つも家の玄関に巣をかけてそれも怖いらしい。

確かにタヌキは人の家に来たりするけどキツネは珍しいですね。キツネは警戒心はタヌキよりずっと強い動物なので滅多に人前には出てこないものなんです。
私は諏訪大社にお参りするとき途中の駐車場で姿を見たかな。
運転手がトイレに行った間に現れた。
それでその時は「ああ、お諏訪さんの御眷属が出迎えに来てくれたな。」と思った。

「あんたは怖い!というけど狐は狐ではあんたの顔のほうが怖いと思っているかもよ。
それに燕が巣を作るうちは栄えるんですよ。めでたいことじゃないの。
何言ってんの?あんた。お狐さんは荼枳尼様の眷属さんだよ。」
といっておきました。

伏見稲荷別当であった愛染院の天阿上人は荼吉尼天の供養をすれば、そのつど毎度、庭に数十匹の狐が集まったといいます。
いやあ天部の行者は畢竟そうありたいですね。
見果てぬ夢です。
私はそういう話は本当だと信じる人間です。
あまりマトモだと思われると、そのへんうっとしいのでそういう人間と思ってくれると有り難いね。
一説には天阿さんは歓喜天供をして伏見稲荷さん拝んでいたともいいます。
日本にはゾウはいないからさすがにゾウは集まらないね。
でも歓喜天の御眷属に野干部という部類があるからやはり狐でしょう。
おなじように浴酒の創始者、謙忠阿闍梨が宇賀弁財天を拝んだら蛇がいっぱい集まってきたともいう。

こういう現象が起きても眷属さんですから全く怖がる必要はないのですが、謙忠さんは寺のお稚児さんがたいそう怖がるので以来、少し修法を控えたそうです。
うちの庭にはいつもフェネックギツネのコウちゃんが出ていますが(笑)