金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

極楽に女性はいない?


顕教では極楽に女性はいないことになっています。
亡くなった私の悪友で酒と女性が大好きなT氏は「そんな味気ないとこ行きたくないね。酒はあるの?」
「当然不飲酒戒があるのでないさ。」
「絶対ヤダ!」という面白い男でしたがまあ、望み通り極楽にゃ行っていないだろうと思います。

あることで吉祥天を調べるため「吉祥天十二名号経」をみていたら、なんとこのお経は極楽で説かれています。
吉祥天は女天ですから、定説の女性はいないというのはどうも密教では違うらしい。
そればかりか対告衆として天竜八部までいる。つまり鬼神や動物神までいるのですね。
たまたま遊びに来ている?いいえ、極楽は不退転地という大菩薩の境地に至らないと来られないんですね。第八地の菩薩になるか、浄土門の言うようにお念仏するかです。
つまりは密教的には極楽に女性も動物もいることになる。
まだ二十代のころ犬のお葬式の話が出て師匠に「極楽に犬はいかれないのでしょう?動物のままでは」と聞くと、「そんなことないよ。動物も女性もいるさ。」と一言言われただけで・・・
師匠は浄土思想にはあまり明るくないのかなと思っていましたが・・・どうも明るくないのは私のようでした。
つまり業の果ての存在としては女性も動物もいないんだろうけど・・・
解脱すれば姿は変わる?そうならざるをえないというものなら・・・考えてみれば権現思想はなりたたない。
修験者のくせに大きな間違いをするところでした。
ましてや天台学では十界互具ですからいかなる衆生も仏の心を宿し、そのきざすところあれば正定聚に入ることも可能でしょう。

密教を持ち出すまでもなく法華経では女人と言えども法華経の信仰をすれば極楽に行けると書いてありますね。これって極楽では男性になるのだと思っていた。
もっとも天台では法華経は理密教です。
そう考えると竜女の成仏も姿は女性のまま変成男子でいいはずです。
つまりは内証の問題でしかない。形はどうあれ。
こうしたお経の時代背景では女性は対等に扱われていないからどうしてもカルマは男性よりは良くないと考えたんでしょうね。
実際そうした時代にインドで女性と生まれればそうだったのかも・・・。

まあ、つまり極楽にも吉祥天様のような方もいるわけで・・・そう考えると女性のいない殺風景な極楽なんぞ行きたくないといってTさんは下手打ったかもね。(笑)

あ、吉祥天様?から面白いメッセージ頂きましたからあとで機会があれば紹介しますね。

ま、いつもどおりパラノイア人間のたわ言程度に聞いてくだれば幸いです。