金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

念で大蛇を作る


私が得度する少し前に夫婦で得度したある人物。
30歳以上もズット年配の人でしたが、この人はすでに他宗のほうでは別に得度していた。
とはいっても住職とかではなく。昨日今日の話でした。同時並行。

福生寺では天台寺門宗の籍をとって修験道をやりたいとかでしたが、人柄が大柄で師匠や先輩のNさんに対しても敬意のない物言いで私は驚きました。
まあ。その年で修験の修行をしたいのだから大した努力家ではある。
でもそれが災いして自分ほどエライ人物はないとでも思っていたんでしょうかね。
先輩のNさんにも「薬のみたいから水持ってこい」といったりかなり偉そうな態度でした。
 
私が得度する当日もさんざ嫌がらせされた。
周囲には「羽田君は長男だから得度させるのは無理というのを、かわいそうだから自分が先生に頼み込んでやったのだ」と真っ赤な嘘をいって回っていた。いい格好しなんですな。要は。
実際は私は師匠からすすめられての得度でした。

それなのに「世話をしてやった自分のところに挨拶にも来ない」というので先輩風ふかしまくった。

周りにもそういって回られたので「やっぱりねえ、今どきの若い奴は常識がない。」とか他でもこの人のせいで私はさんざんに陰口言われたのでした。

奥さんもそんな檀那を誰よりも偉い人のように扱う。内輪褒めの激しい人でした。
師匠の指導でお経の練習している最中、「こんなお勉強なんかうちの主人がしている修行に比べれば修行のうちに入らないわ。」などとぬかした。
師匠の前でそれいうか?心底 バカな女だ。

それでもこの時は先輩だから一応得度式の翌日謝り方々挨拶に行くことになった。
私には心中目算がありました。
多分一対一になればコイツ言いたい放題言うなと…
師匠に事情を言うとただ「修行者は腹は立てないことだ」としかいわれなかった。
それでいくと、案の定、自慢たらたらでその上、師匠の学歴が低いの、言葉足らずだの悪口までいうわ。挙句なんでも自分にものは聞けと、もう酷いものでしたね。
今は身も心も丸くなりましたが、恥ずかしながら私も当時、学生だったけど、いじめられてそのまま黙っている性分ではなかった。
 
上品なお方はあまり感心しないでしょうけど「やられたら必ずやり返す。」
それが身上。
それが子どもの頃、さんざいじめられた私が生き残るための自らが学んだ私の処世の教えでした。
必ず報復する。特に毎度逢う奴相手なら嘗められたらあかん。
子供時代はそうやって生きてきた。
でもその過去には反省はないのです。
きれいなことは言わぬ主義なので。

今でも「理不尽には、黙っていてはいけない。戦え!」と人さまの子供にも言っています。
後の祟りが怖い?
いえいえ、とんでもない。後々までなめられる方がずっとつらいはずです。
だから喧嘩上等です。
自分が自信もって生きるためにはね。
そういう「いくさ」は嫌でもせにゃならん時があります。
 
戦いのコツはやるとなったなら直ちに反撃です。躊躇しないこと。
逆に今は勝てないからやらないと決めたなら人がドンパチやるまで黙っている。
始まったら援護射撃でやっつける。
そんなこと考えるのは弱い奴だって?
もちろんそうです。

戦いをするならまず何よりも自分は弱い事を前提で考える。
それがなにより大事です。
弱いのだからなるべく戦わないで済むよう考える。二度目がないなら忘れること。
そういう意味ではリベンジは意味ない。
でも今後もあるならやる。
弱いの前提だからやる時は手心なし。勝負じゃないんだからリール無用。
 
だから、そのまま寺に報告に行って「こんな酷いことまで言っていました」と洗いざらい言ってやった。師も「ウ~ム」と渋い顔でうなって聞いていた。
世の中は鬼千匹。のっけからこんな酷い先輩に出会うとはね。

でも大丈夫です。こういう嫌な奴はみんなも嫌な奴と思うものです。
そのうちコイツは、あからさまに師匠にも反目しだした。
しまいには先代住職の信者の一部と組んで師匠の晋山反対運動まで画策した。
 
私は…と言えばそんな奴のツラも拝みたくないので、念の力で大蛇作って山王鳥居の手前傍らに仕掛けた。きたら噛んでしまえ!
さすがに境内のなかは畏れ多く天尊に怒られそうで辞めた。
向こうは一介の二十歳そこそこ小僧がこんなことするとは夢にも思うまい。
でも、師匠からは四国には恐ろしい村があって子供でもこのくらいの術は使うと聞きました。
 
それ以来、実際顔も見ることはなかった。ブッキングしなかったんです。
「エエッ」と思うでしょう。
そういうことが自然にできたんです。
そんなこと普通出来るとは思わないし。本気でやろうと考えるのがそもそもクレイジーの極みですが…私、クレイジーの極みですからそういうのします。
 
だからずっと後で陰陽道式神の話を知って「あ、そういうの式神というんだね…フウ~ン昔からあるのか。そいつは知らなかった。」…とはじめて思いました。
安倍晴明の伝説や中国の術遁甲なんかだと太陰だとか青竜だとか人間型の十二神将作って動かすらしいけどそういう高等技術はしらない。
これは私は習ったわけじゃないので。

まあ、「いざなぎ流」の術者であった爺様の血が流れていたのもあったのかも。いざなぎ流自体は何も知りませんけどね。

「法」とは違い「術」は原理さえわかれば作ることもできる。
NLPなんか勉強した人ならこの話は少し分かるはず。
逆にそのへんがわからないといくら正式に凄い術を伝授されて何もできない。
 
聖天様はこいつ生意気なことする奴だな…と持っていたでしょうね。
 
やがてこの人間は寺を去っていきました。
今ですか?知りませんがもう年ですから亡くなったでしょ。
それにしてもなんのために仏道修行したんだろうね。
この人間。
あきれるわ。ほんま。

こんな人間でも聖天さん拝んでいて、この人がある大僧正に聖天供のことを聞きに行ったらしい。
この大僧正は聖天供30000座も拝んでいらっしゃる達人です。
大僧正は心眼のある方でしたので初対面ですがひとしきり彼の話を聞いて「いやいや、せっかくで悪いのだけど、私は伝授されたままする以外何も知りませんのでね…あ、これどうぞ。」と言って逆にお土産持たせてさっさと追い払ってしまったそうです。
さすが眼力のある人は鮮やかなもんです。