金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

埋没仏 薬師如来の不思議

 
埋没仏といって土中より仏が出ることを言います。実際にそんなことなどあろうかと思うのですが、ある仏像が土中より出たそうです。
多分お堂があったのが焼け落ちたかして仏像だけうまく地中に残ったものかと思う。
 
実際そういうわけでそれでこれを祀るための僧侶を探しているという人がありました。
信頼する力のある霊能者に知った方を順に判断しててもらい、「この僧に頼んではどうか?あの僧に祈ってもらうのはどうか」と聞くのですがどの僧侶もこの仏像を祈るには法力が足りないという理由で霊能者はなかなか「うん」と言わない。
何でもその仏像はかなりパワフルだという。祀り直すには相応の力がいるということらしい。
 
そうこうするうち件の霊能者のほうが縁あって大福生寺のある信者さんの家に宿泊したそうです。
霊能者の目で天井に何やら光って見えるものがある。
「あれは何だろう?凄い力を出している。」
それでそれを下ろして見せてもらったら「六算除け」のお札でした。
六算というのは一種の星周りで体の部位が悪くなるものでそこの箇所が悪くなるとなかなか治らない。
それで「六算除け」というまじないをします。
我が法流ではそのお札を祈って天井に貼る。

そのお札は師匠が拝んでもう10年も前のものだった。
「これは怖いくらい力のある坊さんだ、この人だ、ほかにない。」
それでその霊能者が推挙して是非この札を拝んだお坊さんに拝んでもらえというので大福生寺に訪ねてきた人がありました。
 
この仏像は実は薬師如来でした。
天台の法流では久遠実成釈迦牟尼如来の現世救済の姿を薬師如来とい口訣があります。

                     拙寺の薬師仏
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それで早速、師匠は頼まれていって開眼供養をした。

そのあとでお堂の中に入ったら、かの霊能者はおおいに驚いたという。
一面、お堂の中が青い色の光に輝き満ちていたのだそうです。
瑠璃光如来というくらいなので青い光なのでしょうが、実際は少し緑色っぽいようです。
これは薬師如来の十二上願の
第一に光明普照(自らの光で三千世界を照らし、遍く衆生を悟りに導く。)
第二に随意成弁(瑠璃の光を通じて衆生の仏性を目覚めさせる。)
といいますがまさにそれでしょうか。
昔はこの薬師如来の二つの誓願がよくわかりませんでしたが、この霊験を聞いてよく呑み込めました。
つまり薬師如来像は凡夫には見えない仏光を常に放っておられ、お参りするものはそれに浴することができるというまことにありがたい誓願なのです。

霊能者の話では「このお坊さんは除災の力は実に恐ろしいものがある。福徳の祈祷の力も強いが除災に比べるに少し劣る。」とのことで師匠も気合を入れて福徳祈願をしないといけないと言っていたものです。
 
師匠自身も薬師如来を好きで比較的よく拝みました。
「薬師如来を祈ると実際はまず眷族の十二神将が働くのでその働きは天部の働きに極めて似るものがある。」とよくいわれたものです。
 
私も弁天修義の修行の後、その過労からか帯状疱疹が治らず苦しんだことがありました。医者に行っても「これはひどいね。慢性化するかも:」というのみではかばかしくない。
それで薬師法を祈った経験があります。
そうしたらその晩に夢の中にアーモンド状の入れ物に入ったピーナツバターみたいなものを薬だといってなめさせされる夢を見ました。
「これをなめなさい」だれがそう言っているのかわからないけどそれを嘗める夢。
そうして朝起きたらほとんど治っていた。
不思議なことがあるものです。

それ以前にも20代に痔を患って切ってもらったけど、あとが痛くて眠れないことがありました。
その時も薬師仏を念じたら、いつの間にか眠ってしまい夢に点線描きの金毘羅大将(12神将の筆頭)と月光菩薩が出てきて患部に光のようなものを当ててくれて急激に楽になりそのまま治ってしまったことがあります。
この時、金毘羅さんの方は旧金刀比羅宮別当の松尾寺で頂いた金毘羅大権現そのままのお姿でした。
金毘羅さんはもともと金毘羅摩羯魚夜叉大将といって。鰐魚すなわちワニの神様ですが、金毘羅さんは力あるなあという実感がしました。
昔は鰐は魚の一種と思われていたのかしら…
だから今でも薬師様も金毘羅さんも大好きですね。
 
こうした体験もあって薬師如来の霊験は間違いないと信じていますし、今でも私は御祈祷の中で病だと薬師真言は准胝真言と並んでよく使います。
二つ並べて唱えると除病と延寿で私の感じではかなりいいように思うのです。