金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

眠れる無住寺の聖天様


江戸時代、名僧浄厳律師は聖天さんは拝むなと力説しました。
しまいには友達だった生駒の湛海さんも浄厳さんに折れて弟子に聖天供を任せて辞めたくらいです。

聖天は毘那夜伽で障礙神だから拝むなというのですが他に、その一つの理由に聖天を祈ればその法嗣が絶えるというのがある。
跡の継ぎ手がない。

この話を西陣の聖天様から聞かされて「なるほど、そういえばそういうお寺も少なくないですね。」と話したことがあります。
よそごとじゃなく、西陣さんもうちもそこは同じ。
じゃあ継ぎ手のない寺の聖天様はどうなるの?
「たぶん・・・眠るんではないのか」という話に・・・

そう、何年でも、何年でも…本当に聖天様を拝む人が出るまで。
私たちから見れば何十年、あるいは100年以上だろうが尊天から見たら極めて短時間。
寺の継ぎ手がどうのこうのと言う人間をしり目に「ウ~ン。適当な人物いないし、ちょっと寝て待つか」という感じなのかも。(笑)

継ぎ手がないなどと言って騒ぐのは人間側だけの都合で。むしろ自分が気に入った人間以外に聖天供なんか拝んでもらいたくないなというのが聖天さんのお気持ちなのかも知れません。