金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

六道輪廻の間には


六道輪廻の間にはともなう人もなかりけり
独(ひと)りうまれて独り死す 生死の道こそかなしけれ」

これは時宗を開かれた一遍上人の「百利口語」にある出だしの言葉です。

まさに人は皆一人。生まれるときも死ぬときも…どんなに周囲に人がいても独りぼっちでも。
そこは同じ。
この子の病気をどんなか代わってあげたいと思う親がいてもそれはできない。
「死なないで!」
いっそ、死に行く伴侶の代わりに死にたいと思ってもそれは無理です。
生き死にだけでなく、生老病死、すなわち人生そのものは共有できるものは何もないのです。

然し横を並んで歩むことはできる。
声をかけることはできる。人の間と書いて人間。
・・・それが人間なんでしょう。

だったら、おとなりで声かけあって、
人間として生きましょう。
人間として死にましょう。

すねもの気取りで「人なんて」と
そっぽを向いていては無常の世の時間はどんどん過ぎていくよ。