金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

魔界と地獄の話

ヒットラーみたいな人間は地獄に行くのだろうか?

多くの人が思うには当然地獄ということだろうが…人を殺すということでいうなら戦国武将など偉人伝に出でている人は大体人殺しですよねえ。

まあ。日本だけじゃなく、過去の偉人は大体そんな風。

霊狐さんどう思うでしょうか?

少し前そんな話をした。

 

「ヒットラーというものは私は知らぬが、地獄に行くのは本人がこころの奥に罪悪感がある場合だ。全くないものはいかぬ。あるいは自らの正義を信じるもので結果に満足したものも行かない。徳川家康などは神祇になっているではないか。家康公はむしろ戦乱をおわらして泰平をもたらすために戦さをしたということだろう。」徳川家康の似顔絵イラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

「断善根、一闡提はあるということですか?これは天台僧としては由々しい話です。」

 

「人が人である以上、求めるものはおおむね同じだ。求めるものがある以上は善根も全くは無くならないのだろう。逆に言えば幸せを求める限り人間は人間なのだがな。

だが懺悔できないものは地獄でなく悪魔になる。自分を全く正しいと思い込めばそうなる。地獄の責め苦は自分が自分に望んで課する罰なのだ。鬼も針の山も火炎地獄も実有ではない。だから陀羅尼の力がよく救いうる。閻魔王の課する刑罰ならそうはいかぬ。」

「では閻魔王はいないのですか」

「閻魔王は存在する。それは我々を人間に戻そうとする自浄作用の集合無意識のようなものだが人間の心と不可分でもある。動物にはそういう観念はないから犬や猫は地獄にいかないだろう。地獄図に動物が責められてるのを描かれているものはない(笑)」

「悪魔になったらどうなるのです?」

「悪魔は悪魔のままだ。その業尽きるまでは、もっとも法縁に触れて善魔になるものもあるぞ。そういう魔はどこかで仏縁にふれていたんだろう。」

「責め苦とかはないのですか?」

「悪魔であること自体責め苦だ」

「六道のうちどこに属しますか」

「悪魔はどこにでもいる。地獄以外はな。人間にもいるぞ。」