金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

現代憑霊事情の問題点

なんか論文のような題で恐縮です。

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きのうは五体加持で小さなキツネさんに元のお宮に帰ってもらった話をしました。

こういうこと言うと、そのあと、この記事を見た人が「私もなんかついてます!取ってください」などといわれますのが…講員以外の人はしないというルールにしていますからやりません。

 

なぜやらないのか・・・?理由は二つ。一つはその八割以上はただの思い込みが強い人で、そういうのは面倒で人のいうことは聞かないし相手にしたくないから。

 

もう一つは基盤となる精神的地盤が必要だからです。

それがうちで言えば講員という信者さんです。

つまり、キリスト教文化の国では「サタンよ退け!」と言い、スリランカなどでは悪魔祓いに「仏陀の権威の前に悪霊は懺悔せよ」という。

キリストや仏陀という共通の悪魔祓いの特効薬を認識しているからです。

江戸時代はともかく悪魔がいて聖なる存在はそれを降す前提がわが国には今やない等しい。

もともとは不動明王や五大明王がその主たる役割をしており、憑霊は天狗や狐狸、蛇のような動物霊や生き霊、死霊などが対象。

ところが現代ではそういう宗教の枠組はなく、サタンだのベルセゼブだの、外国の悪魔も出てくる。

ひどいのになると宇宙人から電波で操られているのでたすけてとかも言われる。

こういうのは宗教では無く現代人はゲームやコミック・小説や映画から得た情報を基にしている。

ゲームやコミックでは作者がつくったヒーローがこうした悪魔や魔物の相手になる。

だがそれは実際は存在しないのは誰でもわかる。

方や歴史的にも存在する悪魔はいてもヒーローはいない。つまり新型肺炎のように病はあっても特効薬はない。

 

こういう状態で来られるとまずヒーローのいる別な空間に入ってもらう必要がある。

つまり不動明王や護法善神のいる仏教の世界へ来てもらわないとダメ。

私は密教なのでそのやりかたしかできません。

霊的パワーとか特殊エネルギーで追い払うとかじゃない。

ところが宗教は嫌いなのでいやです。

信仰は嫌い。悪霊は取ってほしいだけです。などと言われるとそこは無理なのです。

こっちだってそういう人間に無理強いなんかしたくないのでしませんよ。

結果やらないというだけ。

私は宗教者であって、退魔師とか結界師のようなヒーローじゃない。

あるいは自分の宗教的宇宙観を振り回す。この悪霊はスサノオノミコトでないとだめですからスサノオノミコトを呼んでください!などと指示さえする人もいる。

 

こうなったらどっちが指導しているのかもうわからない。

そういう人の悪魔祓いには舞台づくりがいる。そこは超面倒です。

だからそういうのはひっくるめてしないことにしているんです。

 密教修法と言えども三界唯識の域を出ません。