昔、野澤猊下が中国旅行から帰ってこられて絵を一枚下さった。
それが水彩で半紙に書いたラクダに荷を載せ犬を連れて砂漠を行く人の絵だった。
花だの中国美人だのいろいろな絵の中のなかから「あ、アンタにはこれあげましょう。」と言って下さった。
猊下は遠い砂漠を中国でご覧になってつくづく思われたそうです。
「私ら普段から何気なく心経よう上げますわなあ。この遠い遠い砂漠の向こうまでいってインドから玄奘さんが命懸けで般若経をお持ちになってかえらはったんや。それ思うたらええ加減やあだおろそかな気持ちでに般若心経なんかあげられたもんと違います。」とそういわれて合掌されました。
猊下には他宗の方でしたがいろいろ大切なことを教えて頂きました。