小僧時代にこんな話を昔聞きました。
ある行者さんが山奥で滝行場を見つけ、足しげくそこに行ってお滝修行をしていたそうです。
良いお滝場と言うのはすぐに行者さんは嗅ぎつけるものです。
でもそうそうない。
私は関西に行ったときはいっとき生駒山の額田の滝を頂くことがよくありましたが・・・。
さて、話を戻します。
ある日のこと。滝下の小屋で衣類で脱いで、褌ひとつで滝場に来てみると、なんと先客がいたそうです。誰にも言っていなかったのにやはり見つける人は見つけるものです。
女性は40歳前くらいの方で、胸もあらわに腰巻一つで勇ましく滝を受けようとしている。
やはり女性の行者さんなのでしょう。
「エイッ!」と裂ぱくの気合で九字を切り、いままさに滝に入ろうとしていたそうです。
「これはまずい…目のやり場も困る」とその行者さんは踵を返したところ。
すると後ろから
「待て!どこ行く。あんた滝行に来たんじゃろうが!違うんかあ。」と言う声。
行者さんが振り返ると女性は手招きして
「行場に女も男もありゃあせん‼」と一喝。
「まあ、そりゃあ道理ではある・・・」
その行者さんも勇を起こしてともに修行させていただいたそうです。(笑)