金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

癌治療に思う 松江堂薬局のブログ

 

 

僕が中国に留学していた頃は、「中西医結合」熱が盛んで、現代医学と中医学を結合させて治療をする機運が高かったです。

病棟でも癌の患者さんがいらっしゃいましたが、抗がん剤や放射線治療の他に漢方薬を使っていました。現代薬の副作用を漢方薬で出ないようにするようにしていました。

帰国して驚いたのは日本ではがん治療で現代医学と漢方が中の悪いこと。お互いが否定しあっていました。

癌専門医ではない医師のがん治療本が本屋に置かれ、製薬会社や医師は高い抗癌剤でも受けているという陰謀論が囁かれ、健康食品屋はよくわからない物が売られていました。

最近は少し落ちつてきたかなと思いますが。

そんな中で現代医学のがん治療も漢方の癌に対するアプローチの仕方も進歩してきました。今は漢方薬局でも「免疫、免疫」の一辺倒ではないでしょう。

抗がん剤は癌に効くのですが、副作用が出てきてしまいます。これはしょうがないことです。これを漢方でカバーしていきましょうよ、と今は考えるようになってきました。

うちには今現在、3名のがん患者さんがいますが、免疫一辺倒ではなく病院からのデータを見せてもらって2週間ごとに漢方を変えていっています。

肺がん、胆のうがん、肝臓がん(全身転移)ですが皆さん数値は改善されていています。

時々電話で「がんに効く漢方薬ありますか?」とお尋ねをいただくんですが、電話一本で「はい、ありますよ。これ飲めば大丈夫です」みたいなことはお答えしかねます。

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