今日は護摩に臨む人たちに「火消三昧」の伝法をしました。
最期には熾火をこの法を使って手で触ってもらう。
加行中に天蓋も焼けず、最後にこれをして火傷火ぶくれもないなら合格だ。
火消三昧には二通りある。
ひとつは私のもっぱらやる縛魯拏天水生消火の大事
もう一つは倶利伽羅龍王の火生三昧法
この二つ前者が火消三昧なら後者は火生三昧です。
私のするのは単純に水のイメージで火勢を遮る法。
だから水神の王である縛魯拏天つまり水天や八大竜王を呼ぶ。
かたや火生三昧は聖なる焔の力で火と同化すイメージ。
これには火炎に包まれた倶利伽羅龍王がふさわしく、その表白には「自性の焔は火をもって火を消す。水天及び八大竜王を請うの法、此れを深く恥ず」とあって水で火を消すのは自然の「水克火」の理に基づく未だ奥義に至らぬ浅い法であると言う。
そんなのは初心者のやることだというわけだ。
実際、師匠もその方がより上級な法だと言っていた。
自分が大火炎を背負う不動明王の化身クリカラ大竜になれば火は敵ではない。
日光修験道の伊矢野先生はこっちだ。
さすがだね。恐れ入る。
ただ浅いがゆえに習得しやすいので私は水天や八大竜王の火消三昧を教えている。
火には対峙する水というイメージで抑えるのは描きやすいからだ。
これは長じれば祈祷の場で病熱を抑えたりもできる。
私も倶利伽羅の火伏法も受けたがあまりやらないので忘れてしまった。
再度調べなおさないと忘れています。
※ 加行護摩中でかたちをみせる倶利伽羅龍王。仙台の里見亮和師の護摩