昨日夜「犬神」の映画を見ていました。
まあ。一応調べて作ってあるようだが今放送できないような内容だなと思った。
犬神は一つには狗神筋と言って犬神を使う家は肥え太ると言われる。
犬が何でも持ってくるから。
要するに犬の餓鬼なんですね。
それを作る。
実際は村落の差別問題に絡んでいてあつかいの難しい問題になっている。
犬神筋だとかおさきもちとか言うのがそれであそこの家はそれだと言うと、怖れる一方で一種の軽い村八分にあう。
嫁に行かれないとか嫁が来ないとかとも言われてきた。
血統にまで禍々しいものが流れると思うのだろうか。
要するに距離を置かれるのだ。恐れられもするが、疎まれもする。
実際、犬神の家と言われればいじめにあう家も同然だ。
だから狐がついたなどと言うのも都会だから軽く言うのだがそういう地域なら大騒ぎだ。
下手なこと言うと怒鳴り込んでくる。
それを考えればたやすく憑物などと言うべきことではない。
犬神はどんどん増えて限界に達すると家は急速に滅びる。
増えると言っても生むのではなく集まるんだろうと思う。
あるいは欲望に比例して肥大していくのか。
滅びないためにはどこまでも物集女めしないといけないジレンマがある。
社会現象としての犬神問題はもともとは強欲な大百姓などに対する貧しい小作人の腹いせだったのだろうが・・・
ただ現実に犬神は存在する。
ある方法で作る伝承もあり、もともと山野にいる精霊とは一線を画する。人工の妖怪だ。
作り方や祀り方は駒澤大学時代、授業で文化人類学の先生からうかがった。
そういう研究をされたようだ。
断わっておくが三峰山や御嶽山にいる霊犬などとは訳が違う。
あれは元はオオカミだからまともに力で言えば犬神などは比べられるしろものではない。だが犬神のような狡かしこさはない。
三峰の霊犬はまっすぐにつっこんでくる。
策など弄さない。それだけ強いのだろう。
大概の魔物はドン引きする。
一度犬がらみの件を弟子を通じて相手したが、まあ、私が扱ったのは手に負えないような大悪魔ではなかったがしつこいらしい。餓鬼なので絶えず飢えている。
畜中の餓鬼道だ。普通の犬の霊なのではない異質のものだ。
犬なので餌には弱い。
だがそれを悪用して人につけたりもする術もある。
師匠の話だがある村では子供でさえ憑物をつけることを知っているという。
怖い村もあったもんだ。今はどうだか知らない。
昔のことだと思うが・・・