「また願わくは 汝ら昼夜恒常に 我を擁護して我が諸願を満せんことを。
願わくはこの食を施す所生の功徳、あまねくもって法界と有情に回施しめて、諸々の有情とともに同じくこの福をもって、真如法界 無上菩提 一切智智に回向して、願わくは速やかに成仏して余果をまねくことなからん。
願わくは一切精霊この法に乗じて疾く成仏することを得ん。」
また、加持飲食を受けた精霊はその恩に報いるため、昼夜に行者を守ります。
施主があればもちろん施主が護られ、諸願を果たせます。
そもそも施餓鬼法は密教の修法としては「増益法」になります。
増益法とはつまり豊かさを招く法です。
仏教では因果論の考えから「施すこと」こそが豊かさの源であると考えます。
施餓鬼はもっとも大きく施すことができる機会のひとつです。
施餓鬼で餓鬼精霊に施すことを覚えたら現実を見回し、あなたが持てる力に随って多くの人や生き物にも必要な施しができればそれが最も仏様の意にかなうでしょう。
大事なのは施す心です。
ですから増益祈祷もその多くは施すことによる無限循環を主眼にしています。
儲けたらただただ自己保全のためにため込むのは増益の意に反します。
施餓鬼は増益法のため増益の本方である東に向いて行うのが本来としますし、午前のうちすべきであるとします。
この供養は究極には真如法界への供養 悟りへの供養 大いなる智慧への供養です。
ですから施餓鬼にて弔う精霊は必ずまずほかの利益を措いて成仏するのです。
大変有り難い法です。
私は祈願をもっぱらにしてお葬式はほとんどしてきませんでしたが、この供養法で霊に絡む難しい問題に臨み、その都度嗚呼、餓鬼はいる、餓鬼は法に答えてくれると感じてきました。
広くお施餓鬼をお勧めする所以です。