金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

お施餓鬼はあの世の福祉

施餓鬼って何ですか?

よくわからないんですけど‥‥という質問もいただきます。

うちのおじいちゃん餓鬼になってるの?あの世で…という質問も。

 

いえいえ、施餓鬼はそういうことを言うのじゃないんですね。

 

平たく言えば成仏しないでさまよっている霊を集めて成仏させること。

供養を受けられない霊魂に供養を施すこと。

いわばあの世の福祉です。

 

「じゃあ、うちはちゃんとお葬式もしてるから関係ない。」というかもしれませんが・・・

問題はご先祖や亡くなられたお身内が不成仏だとか言うことではない。

そうした方々のために陰徳を積むことなんです。

そういう行為は総じて仏教の言葉で「追善回向」(ついぜんえこう)といいます。

追って亡くなった人に回し向ける善い行為ということです。

法事もそうですが、法事は仏・菩薩を供養して拝んだ功徳をダイレクトに故人に回し受けます。

施餓鬼は多くの餓鬼のためにまず仏菩薩を拝み、お食事を差し上げ、その功徳を亡くなった故人に回し向けるという仕組みです。

救われる餓鬼が多いほどより多くの功徳になります。

 

施餓鬼をした功徳を回向する。つまりご先祖様に「あなたの名前で代わって福祉に寄付しましたよ」というのと同じ。

善行を手向けることです。

 

実はあの世はおなじタイプの者ばかりが集まる。

この世のように「凡聖同居土」と言っていい人も悪い人も色々いるのと少し違う。

(凡聖同居土には穢土である娑婆世界と弥陀本願によって凡夫も往生できる極楽のような浄土もあって共に凡聖同居土と言う)

だからこの世は偉人もいれば悪党もいる。

心の奇麗な人も悪魔みたいのもいる。あらゆる人がいる。

だからこの世にいるうちはいい修行になる。

魂は向上するためにどうしてもこの世に生まれないといけない。

 

あの世は餓鬼は餓鬼。地獄は地獄、修羅は修羅。

周囲に同じタイプしかいない。

たとえば餓鬼同士では救いようがない。うばいあいしかない。

それではいつまでも救いがない。

たすけあうことができない。

でもお施餓鬼には「先に道を得る者は誓って相度脱せんことを」という。

助かった人は今度は助ける側に回ってくださいねということです。

 それで餓鬼も菩薩の仲間入りできる。

 

つまり、お施餓鬼をして霊を奪い合いの世界から解き放すんです。

これは大きな功徳です。そのまま放っておいたらずっと餓鬼のままだもの。

施餓鬼はあの世の福祉。

だからなるべく多く施すんです。

施餓鬼をした功徳を先祖に回向する。

そうしたらその功徳はそれでなくなるかと言えば違うんです。

なくならない。

めぐり巡ってご自分にも一番大きな功徳になります。

 ダイレクトに功徳をうけるなら「三界万霊」の供養です。

 

お施餓鬼は土曜日まで受け付けています。

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