コロナはカゼだとまだ言っている人がいるようですがそれは間違いです。
カゼは上気道感染と言われ悪寒発熱、頭痛、鼻水などの症状を伴いますが、安静にしていれば2,3日で回復します。
またカゼは罹る人、罹らない人がおり、症状も人により異なります。
しかしコロナは違います。体力があるなしに関わらず、同じ地域にいる人が罹り、症状は同じで重篤化していきます。
《素問》では「五疫之至。皆相染易。無問大小(大人や子供に係わらず)、病状相似(症状が似ている)」という記載があります。
素問は漢の時代(200年頃)の医学書ですがすでに伝染病に対する観察がありました。
中医学では普通感冒のような六邪による病気と、感染力の強い病気、疫癘を分けて考えていました。
疫癘とは伝染病のことで、コレラやペスト、天然痘、インフルエンザなどはみな疫癘です。
疫癘の邪は大変強く、体力がある人でも太刀打ちができません。進行が早く重篤化します。
《諸病源候論》では「乖戻之気(疫癘のこと)を感じて発病したものは、病気が伝染しやすく一家が絶える」と言っています。
《温疫論》では「疫とは天地の癘気を感受し、この気が入ると老若男女を問わず触れたものはすべて発病する。邪は口鼻から入る」。つまり空気感染、口や鼻から侵入すると指摘しています。
疫癘の怖さは中医学を専門にしている者はよく理解していますので、マスクをして人との接触は避け、手指の消毒や、漢方による予防をしています。
最近は家庭内感染も多くなり困っています。また僕のところは後遺症の相談が増えてきました。
後遺症というのは、非常に強い邪気と戦ったあとの「焼け野原」状態です。疲労倦怠の他にほてりや寝汗などまだ火がくすぶっている状態の人が多いですね。