5・6年前かな。
40超えた年齢だという方がなかなか良縁が決まらないで愛染明王供を伝授してほしいという依頼がありました。
どちらかは具体的には聞かなかったが密教系で僧籍があるという。
なら師匠に相談すべきでしょう。
でも加行はまだだという。
じゃあほかの已達の行者に祈願で拝んでももらえばいい。
加行も終わらない人が他宗の法を学ぶのは土台無理です。
良縁祈願なら宗内で愛染様を祈る方に相談して祈願してもらえば済むことです。
そもそも愛染明王や五秘密菩薩( 五秘密菩薩法は拝んだことないですが天台の普賢菩薩供はかなりそれっぽい次第もある )は秘法とされ、人間の避けられない性である愛欲を入り口にして密教の深奥に迫るというものです。
そういう勘違いを避けるため五秘密法などはお年頃の人に授けてはいけないという伝もある。
愛染法は拝みますが金剛界立てで伝授を受け、時折拝んできてかなり深秘の法なんだという感覚があります。
ただ煩悩だと言ってかたずけられるほど簡単なものではない。
だから目的から言うならその入り口である愛欲自体を求めておわるのでは修行としては密教修法にならない。いわゆる「ラブ・マジック」の類ではない。
愛欲あって人は結ばれ、子供も育つ、大乗の立場に立てば人間が存続していくのに愛欲はなくてはならない大事なものだ。
だから化他行として良縁を祈るのはおおいに結構。
だが、自行として愛欲をかなえるために修行するというのは違う。
むしろ離愛金剛という金剛名があるくらいだから、修する側からすれば愛欲から離れてそれが何たるかがみえるところに自分を置くのがこれらの修法の目的だと思いますが。