昔、顔がまずいので恋人ができないという男性が来た。
相談者「僕、顔まずいんで彼女できないんです。拝んだらできますか?」
私「さあ・・・わかりませんけど、たとえ、できても続かないでしょう」
相談者「なぜですか?何かに呪われているんでしょうか?」
私「そうじゃない。いや・・・そういってもいいかも」
相談者「誰に呪われているんでしょうか?」
私「それね。あなた自身だと思いますよ。」
相談者「え!?私自身?」
私「あなたねえ、なんでも顔のせいにしていませんか?」
相談者「そんなことないです・・・じゃあ聞きますが先生は僕の顔をみてイケメンだと思いますか?」
私「そうねえ・・・思いませんね。」
相談者はいったん息をのんだ。「やっぱり! そうじゃないですか?」
私「私があなたを美男子だと思わないということと彼女ができないことは何も関係ないです。」
相談者「どういうことです。」
私「顔なんか主観の問題でしょ。それに私的に見てハンサムじゃ無いかもしれませんが別に悪い顔とまでは言っていない。」
相談者「そうですか?・・・そんなの詭弁ですよ。実際僕はもてませんし。。」
私「あなた子犬や小猫をみたら可愛いと思う?」
相談者「・・・まあ、一応は」
私「ガマガエルやトカゲはどう?」
相談者「嫌いにきまってるでしょ。そんなもの好きな人いないでしょ。好きな人はヘンタイです。」
私「私は好きですよ。」
相談者「え~っ?どうしてですか。」
私「それとおんなじでしょ。そもそも、どうしてなどないのが好きということだ。何好きだろうとひとによりけり。顔だけでいうならあなたが好きという人だっていないとはいえない。
だが問題はお顔じゃないですね。
何でもご自分の顔のせいにして自分を磨かないからじゃないのですか?
問題は容姿だからどうにもならないとかいって。
私に言わせれば言い訳がましく、ひがみ根性に満ちた人間より爬虫類の方がよほど好感持てますね。」
相談者「それ、ひどすぎませんか!」
私「そらそら。そのひどいと思うのはあなたが私の価値観に左右されている証拠です。ただの喩えです。自分の価値観を持ってください。人の好悪などどうでもいい筈。
あなたは出会う人、すれ違う人が皆あなたの顔を素敵だと評価しないと気がすみませんか?」
相談者「そんなことはないですが・・・。」
私「拝んで顔が変わるわけないでしょう。
だったらあなたの理屈なら拝んで彼女ができるわけない。
顔は拝んでも変わらないんだから。」
相談者「やはり変わりませんか?聖天さまって無理なお祈りも聞いてくれると聞いていますが…違うんですか?」
私「あんたバカですか?拝んで容姿がアイドルや人気スターみたいになるわけがない。
本当にそうしたいなら。こんなとこに来ないで美容整形にいきなさい。
でもそんなことしてもきっとあなたはもてないよ。たぶん恋人もできません。」
相談者「なぜそう思うのですか?」
私「あなたが整形しなきゃいけないのはあなたの顔じゃなくその思い込みです。それがただされないなら結果はおなじです。」
結局、御祈願はしないということでお帰りになりましたが・・・容姿に関わらず楽しい思いやりに満ちた人の周りには人が多くいるものです。
人気の一流クラブのマダムさんも必ずしも絶世の美女じゃない。
だけど愛嬌がある。
男性なら優しさや思いやりがある。カヴァーしてくれる包容力がある。
そこに気が付かぬ限りこの人は悩み続けるでしょう。
面の皮一枚をはなにかけて人気者などになれるわけがない。
人様に好かれるわけがない。と思いますけどね・・・