学生時代、ある宗教の勧誘があった。
もう得度だけはいsていたが、色々な宗教に興味があったので他流試合のつもりでうかがった。
いわゆる「手かざし」をする宗教の系統で、これらは数多いがは大体「世界救世主教」の分派である。
早速、手かざしがはじまり、終わってから聞かれた。
担当者は中堅どころといった感じの女性だった。
「あなたどこか不調は?」
「胃が少し・・・」
「ああ、いけませんねえ。それは胃の悪い御霊さんがついているためですよ。」
「はあ。」
「こうして『おみたま』を受けて手をかざして霊を浄めればあなたも良くなるんです。誰もがイエスや釈迦の行った奇跡が行えるのです。すばらしいでしょう!」
そう言ってその女性は今度は入会手続きの話をしだした。
「フム、そうですか。わかりました。・・・少しおうかがいしていいですか?」
「なんです。」
「胃の悪い人には背後に胃の悪い霊がいるわけですか?」
「そうです。」
「じゃあ、その胃の悪い御霊さんは何故胃が悪いのですか?」
「・・・」
「あなたの説明ですとその霊にもまた胃の悪い霊がついているから胃が悪いのですよね?」
「・・・まあ、そういうことでしょう。」
「じゃあその胃の悪い霊にもまた胃の悪い霊がついている。そうして、それにもまたまた胃の悪い霊が…そしてその後ろにもまた胃の悪い霊がずーッと限りなくいることになりませんか?」
その女性はだんだんと腹が立ってきたんだろう。
青筋立ってきた。
そして「あなたねえ、ここの教えを馬鹿にするために来たのですか?」と声を荒げた。
「あなただってなにか悩みがあるから誘われてきたんじゃないの?それなら素直にはなしを聞くべきでしょう。」
素直に話を聞いてるから変だと思うのだが・・・
「私は別に悩みの解決にうかがったわけじゃないですよ。この人が是非来てくれというからきました。」とキャンパスで声かけてきた人を指すと、「じゃあ動機は何です?誘われたらどこでも行くのですか?訳はあるはずでしょ。何もないなら来ない筈です。」と返してきた。
「いやあ、よその宗教はどんなことするのか興味があったから来ただけです。」
「じゃあ、初めから興味半分ですか?」
「いえ、全部興味です。」
この後私を連れてきた人は何か少し怒られたらしいが…、道々送ってくれて「私はあなたを連れてきたことあは後悔してません・・・」といわれた。
「私もうかがって勉強になった。あなたは善い人だと思います。ありがとう。」と言って別れた。
色々な宗教に行ったが結論は本人が納得できればなんでもいいんじゃないのということだ。
私には大乗仏教が一番合っているから大乗仏教というわけで、仏教以外はダメとまで思わない。ほかの人のことまではわからない。
その人が良ければいい。
私も自分の宗教が好きだからしている。
それだけだ。
最高の教えだとか唯一の真理だからというわけで信仰しているわけではないし、そんなものどうでもいい。なによりも私にそんな検証能力などない。
ただし、無理な勧誘や途方もない多額の献金を強要したり、先祖が霊界で苦しむとか人を脅かして物売りする宗教はいただけませんけどね。