金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

エゴを愛する

「エゴ」について尋ねられた。

エゴっていけませんよね?

いいえ、それはいけないもの「エゴ」という言葉でくくっているからそうなるだけのことでしょ。

ビジョン心理学でいうエゴ(自我)は現状に自分を固定しようとする存在。

エゴは取り扱い背景によって全然違う意味を持つ言葉だ。

エゴはよくない!という場合のエゴは多くエゴイズムを意味する。

つまり他人に対するエゴの主張が強くてバランスを欠くことだ。

 

だがエゴ自体は悪くはない。そもそも仏教には絶対悪はない。

 

例えば災害時になんとしても生き残ろうとするのもエゴの働きだ。

エゴがなければそれもない。

私たちの命を支え、身を守らしむのものが大事なエゴの意識だ。

釈尊も「凡そ人が周囲を見回しても自分より大事な存在は見出されない」という。

エゴが悪いのではない。エゴをどう生かすかの問題だ。

釈尊の偉さは人が何が大事かを正面から説いている。

何を大事にしてもいいがエゴから離れたものは偽物だ。