人は群れる動物ですから、周囲に人がいないと淋しく感じるのは動物としての本能です。それは自然なことです。
しかしながら、いかに人が近くにいても人は人、我は我で同じではない。すべてに共感が持てるわけでもない。
「六道輪廻のあいだには伴う人も無かりけり。独り生きては独り死す。生死の道こそ悲しけれ」一遍上人の言うこの歌こそ究極の真理でしょう。
夫婦は二世、なくなった後もおなじくあの世の夫婦などと言うのも生きている側の希望としてはそうでしょう。
でも本当の本当はわかりません。経典にそうあるわけでもない。
生まれる命、消えていく命。行きかう人はみな一期一会の六道の旅人。
人といつまでもともにあるのが当たり前だとは気持ちの上だけのこと。
添い遂げるおしどり夫婦と言えども、数え見ればわずか数十年の間の友に過ぎない。
さすればおのずと淋しさの思いにも限度があろうというものだと思います