授戒ってどんなことするのでしょう?
あらましを申し上げます。
まず導師である私が登壇して授戒の趣旨を本尊様に申し上げる作法をします。
その間受者の方は正面を向いて座ります。
この時、受者は座蒲団は敷きません。
念珠や袈裟は授けてからつけていただくので持参無用です。
導師は啓白をおえて外陣に移動します。
ここでまず、受者は四恩に対し五体投地礼をしていただきます。
四恩とは父母、一切衆生、国王、三宝となっています。
父母
仏教から言いますと父母はこの肉体を頂き仏道の縁を受ける元となった方です。
最近はどうかと思うような暴力的で育児を放棄する親もいて三面記事にもなりますが、どんな「毒親」でも命をいただいたことに間違いはない。
今現にあなたはここにいるのですから
仏法に合うことを喜ぶのはこの世に生まれたことを前提として喜ばねば成り立ちません。
ですから例外なく父母を礼拝していただきます。これは遠き親である先祖を礼拝することでもあります。
一切衆生
父母が縦の命の寄付なら一切衆生は横の我々の命の縁です。
一切衆生は人だけでなく生きているすべてのものです。
食べものとなる動植物。衣食住を支えてくれる人々、健康や心を支えてくれる人々、社会に対する恩恵を感謝します。ご縁に対する感謝です。
縁という考えは仏教の中枢にあります。
幸せとは良き縁に出合うことにほかなりません
国王
日本では天皇陛下ですが、昔はインドでも中国でも王が仏教の盛衰に大きい力を持ちました。
今は政治にかかわる王はほとんどいないようですが、日本も聖徳太子以来、朝廷が仏教の仏教を支えてきました。
その御恩を謝します。
中には政治的な考えから皇室なんかという否定的な方もいるでしょうが,そういう方の授戒は当方はできかねます。
仏教の授戒の前提にあることですのでこれを拒否しては授戒は始まりませんので。
三宝
仏法僧の三宝に対する感謝、三宝にたいする帰依こそが授戒の大前提ですから当然これを礼拝します。
天台諸宗の場合は仏は教主である久遠の釈迦に代表される諸仏
法は妙法蓮華経に代表される大乗の教法。仏教の教
僧とはそれを行い伝える菩薩僧です。観音や勢至のような大菩薩もこれに入ります
都合 各三遍で十二回の礼拝をします。
おみ足やひざの悪い方は坐礼で結構です。
つづく