写経10枚というと100枚書写する。念誦10万遍といえば30編やる。
1週間でやれと言えば三日でやる。
一見、良いようだがこういう人間は行を「勘ちがい」している。
やればやるほどいいと思うのだろうが、10枚なら10枚、十万遍なら十万遍なのだ。
こういう人はいつも自分の考えを先に立てて人に随い学ぶ気がない。
そういう人である動かぬ証拠だ。
如法ということのほうが大事なのだ。
これでもかとやっつけて見せるのが身上なのだろう。
大きな間違いを犯している。
そんな速さや量は評価の対象ではない。マイナス評価にしかならない。
如法にやることこそ大事なのだ。
どうまずいのかといえば、例えばこういう人は山修行などで勝手にふるまい、大きな事故を起こしかねない。極めて危ない。
人と同じではどうしても嫌なのだろう。
そういう心の持ち主だということが看破されるだけのことだ。
修行は基本的に己との対峙だ。人と比べることも競争もいらない。
そのような心は仏道ではなくかえって邪念にこそ通じる。
一般信者さんの写経や念誦なら「スゴイですねえ!よくやりました!」と褒めもしますが、それはお客様扱いのトークに過ぎない。
本当に行をする場合はこういう人は指導しにくいに甚だ不適格な人間だと思います。