当院で火消三昧を習得しながら他所様の火渡りにいってやけどを負ったという報告がきた。
聞けばと火力が強いので瞼が赤く腫れてしまったらしい。
だが足は焼けなかったそうだ。
それを聞いて少しほっとした。
それにしても術が効いていないな。
それだけ火が強いのに術を使わなかったというのならもっとダメだ。
火渡りしなくとも火勢が強いと思うなら密かに修すべきだ。
そのための一印は教えたはずだが・・・
当院ではできても他では術が効かない?
それは道場には守護神である水天尊や八大龍王の加護がある。
それもあるだろう。
すべてが自分の加持力だけではないのだ。
だからこそ、他所へ行って術がきかなければ真に法を会得しているとは言えない。
剣術で言えば当院で火消三昧ができても、それはいわゆる道場剣法だ。
肝心なことは法が外で通用するかの一点にかかる。
行者というものはそういう意味では真剣勝負だ。
今回は足の火傷ではないらしいが・・・
もしも火渡りして足を焼いてしまったのなら、その人にはこれより先の修行はもう全て授けられない。法が一つ効かないのはすべて効かないに通じるからだ。
当道場ではそれが定めだ。
それは法の器ではないという証拠になる。
遊びではない。
生きた法を継承して欲しいのでそのくらいの厳しさは必要と思っています。