拙寺では十一面様はじめ現世利益に強い仏が色々おわしますので、あまり馬頭様の御祈願は動物さん以外には申しませんが、元来動物専門だけのみほとけではないのです。
勿論、人畜隔てなくお救い下さいます。
密教では馬頭とは噉食金剛と言い、馬が草をはむような勢いで我々の煩悩や罪業、諸々の災いを平らげるというのが本来の意味です。
摩訶止観の六道救済の六観音中、獅子無畏観音に当てられたため、畜道主宰の観音とされるようになりました。
その信仰も日本にきて本格的に馬頭信仰は畜生道救済の信仰ということが表になったようです。
この観音の真言は諸仏が釈尊の御前で神呪を競う中にも最も強い真言として残ったと言います。
実際わが師が悪魔降伏の五体加持にあらゆる真言をとなえましたが、それでもなかなか落ちなかったものも、最後に馬頭真言で退散させたというのを聞かされたことがあります。