金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

秘法のお話

聖天供は密教の秘法ですね。
密教自体門外漢からは秘密ですが、密教修行をしていても秘密なのが秘法。
でも、聖天供が秘法の中の秘法というのは割合知られたことのようです。
秘法とは何か?真言を秘する秘法。
印を秘する秘法、本尊を秘する秘法、内証を秘する秘法と色々あります。
密教自体が秘法だけど、これらは直の面受でないと、そこの部分は絶対言わないというのが秘法の建前です。
三井寺では金剛童子、尊星王供、青面金剛、法華法などが秘法という。
山門では弁天浴酒、聖天、双身毘沙門天の浴油、大黒天浴餅といった四種頓法。
一字金輪、佛眼三度、烏枢瑟摩、愛染、不動立印供や摩利支天などもそうですね。
こういう法のなかで内証の秘法というのがもっとも秘法らしいと思います。要するにひらたくいうとそれは考え方、とらえ方ということになってしまうんですが。
でも、それ自体は説明されても駄目、本当にはわかりません。
修法してみて初めてその仏の世界(三昧)がわかるものです。
伝授を受けてやんなきゃわかんない。

そんな三昧の話をしたら昔、ヨーガやっている人が「あんたね。三昧なんてそんなものじゃない。本当のサマージというのは呼吸が止まってしまって無我の境地になって・・・・云々」という人がいたけど、「なるほど。へえへえ」と聞いていたけど…こんな奴はなにもわかっていないね。
でも、私は反論はしないので。
何故しないかって?
する必要なんかないのでしません。
そういうことに反論して密教の内証なんてなぜ教えてやらないといけないんでしょう。ヤなこった。
そういうのはしては駄目なんです。なぜなら戯論でしかない。
それは何年も修行して、はじめてある段階で子弟の礼を以て、阿闍梨さんからうけるべきものです。
結果、たとえ教えたところでますます反論するんだね。そういう人は。
そんなことで言い争うのは法を穢すことです。
言い争わないでも余計な話をすることになるのでそれ以上は言わないんです。
だから「へ―そうなんだ!それはすごいですね。」でいつもおしまい。
本当にできる人は逆もまた真なりで私の言うのを黙って聞いているから怖いですね。
そういう人の方がギャアギャア物知り顔で教えてくれる人よりもはるかに怖い。そういう人の前ではしゃべりすぎては駄目ですね。慎むことです。

本にも書いておいたけど、ある聖天供の已達を尋ねた人物がいます。
訪ねた側をいささか因縁あって知っていますが自慢タラタラの嫌味な人物です。
傲慢で先輩も先輩とも思わない。しまいに師匠に背いて破門になった人間。そういうロクデナシです。
大体、師匠を輕んずるものはどんな経歴の人でも駄目です。
どこ行っても駄目です。

だから私も今の師匠をやめて私の門下に来たいという人はすべて断っています。仏縁が決めた師匠です。大事にしてくださいと言っています。
謙虚じゃないやつは宗教には向かないね。
そういう人が最後に滅ぶのは何度も見てきました。
この人の場合は高齢でもう亡くなっていますが・・・・。
そいつが訪ねて行ったら、相手も人物を見抜く慧眼の御老僧ですから「ああ、私ね。ホントは何にも知らないんです。ただやっているだけでね…遠いところご苦労様。あ、これお土産です。」と言ってにべもなく菓子折りだけ持たせて返した。
本当に知る人はこれです。コワイ。

でもね、私は已達じゃないんで余計なこと、あえて言いますと密教の三昧はヨーガのものとは違います。あんた、大体呼吸止まっちゃって念誦ができますかいな?