金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

お目付け役


私はすでに他所の寺院で長く聖天信仰している方に、わざわざこちらの聖天様に変えなさいなどとは言いません。
「既に頂いた聖天様の縁は大事にしてください」と言っています。
だからもう聖天信仰している場合は重ねては聖天様の祈祷はしないというのが基本スタンスです。
あちこちの聖天様巡りして最後にここに来たので祈ってくれと言われても、よその聖天様が駄目だしているのはうちでも大概NOですから。
叶わないものは叶いません。役所の窓口は各地方にあるけど受理されない内容のものはどこでもいっしょなのと同じ。

ただ、役所と違うのはそこを何とかという方にはむしろ角度を変えて十一面様のご祈願を勧めています。勿論従来の聖天信仰は持ったままでです。本地の信仰をすることでまた別な力になるからです。
オンキリギャクウンソワカのギャクは聖天尊、キリ(ク)は十一面尊です。
十一面様はとても厳しい。「その祈願する前にまずやることがあろう」という課題が課せられることもある。
業の洗い出しでいきなり大変動も来る。
勿論必要だからいずれも来るのですが・・・。
だから十一面様を人生の師匠として生きていく。そういう信仰です。
どこにでもあるクレクレ信仰のイメージとはわけが違う。
師匠は「本当に厳しいのは十一面観音様の方」と言われた。
聖天様自体は「よしよし、叶えてやろう」と気前がいい。だが「あいや、またれよ!」というのが観音様なんです。
だから単身天はむしろ拝みやすい。叶いやすい。
それで反動も来る。クレジットで買いまくりみたいなものだから。
なかなか仏道になっていくには指導がいる
それじゃいけないので十一面様のお目付けのついた双身天を祈るのが密教です。