「最高の人生の見つけ方」という映画
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ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの名優が共演したハリウッドの同名映画を原案に映画化した感動の人間ドラマ。余命宣告を受けたふたりの女性の出会いと交流、珍道中を人間味たっぷりに描く。『千年の恋・ひかる源氏物語』以来18年ぶりの共演を果たす吉永小百合と天海祐希の共演が見もの。監督を務めたのは『のぼうの城』の犬童一心。
吉永小百合さんと天海祐希さん共演のこの映画まだ見ていないけど・・・ジャック・ニコルソンさんとモーガン・フリーマンさんのは拝見しました。
うん、悪い映画じゃないね。監督も実力ある人。
でも、死が差し迫ってこの映画のようなことは現実にはお金もかかるし、第一死にかかっている人の多くにはできません。
やり残しのお楽しみを大急ぎでみんなやっちゃう。それはすごいけど…でもこれで果たしてすっきり死ねるかな。
むろん娯楽映画としてはいい。ベッドで死に向かっていいる人のやりたいことを彼らに代わってしている。
娯楽ですからそれでもいいはいいのですが・・・。
私はこの映画を拝見してそもそも死そのものに向かい合っても宗教的な気持ちになれない人が多いってことなんだなあと思いました。
それで・・・なんか方向が違う気がする。こんなで最高の人生見つかるか?
娯楽や体験中心で、まして人や社会のためにしたいことはほとんど出てこないのは何故かな。
死はおおはしゃぎにはしゃいで、楽しいことしか考えなくても、誤魔化せるほどあまくありません。そして、そんなことしなくても最高の人生は見つかります。
「金光明最勝王経 重顕空性品」のなかに猛獣に追われ、井戸に堕ちてつる草に摑まりながら上から滴るハチミツを貪る人の姿がある。つる草はネズミがかじりだす。
下には地水火風の無常の毒蛇が狙っている。
仏典はこれが我々の姿だという。
つる草をかむネズミとは時間です。やがてつる草は切れて無常の毒蛇の牙にかかる。
だれしもそうなる。
仏典の立場で言うとこの映画はただ最後の瞬間まで蜜を嘗めましょうというメッセージになる。
それ以外は何もない。
故に仏教ではハチミツなめるばかりでない人生の捉え直しを勧めるのです。
生命は生き通し。終らないなら何を残す。
何をしておく。持っていけるのはそういうカルマだけ。
この映画でとってもいいことは二人の人が死にを前に本当に交流し合えた。
そこはすごくいい!
何故ならそのそれは人生観を変えるから。
人生観を最も変えてしまうもの。それは人間観です。
人間は死を前にして改めて生とは何かを真剣に考える。
死にはそうした人生の総括が大事だと思う。
それこそが大はしゃぎして死に際を迎えるより大事なのではないだろうか。
でもお二人の名女優が人生の最後をどう演じる?
そこは少し興味ありますね。