オミクロン株と従来株の違い
コロナの疑いのある方や確定患者さんを含めた診療を行って2年になりますが、オミクロン株の特徴が徐々に分かってきて、まず一番従来株と違うところは潜伏期間です。
感染してから症状が出るまでの期間が、従来株だと大体5~7日程度と言われていたのが、中央値で3日程度と言われ、発症するまでの期間が非常に短くなりました。
短くなった上に従来株に比べて感染力が強くなったということがあります。
従来株(デルタ株)の大体3~5倍ぐらいと言われていて、短い期間で広がりやすいということなので、現状のように短期間で感染者数が一気に増えたという背景になっていると思われます。
これまでの従来株は肺炎を起こしやすいと言われていて、肺炎を起こしてしまうと重症化のリスクが高まる。
重症の肺炎で亡くなる方が比較的多いわけですが、今回のオミクロン株に関しては肺炎は比較的起こしにくいと言われています。
この背景は、動物実験ではありますが、ウイルスの増殖する場所が、従来株はどちらかというと肺に近いところで増殖するため肺炎を起こしやすかった。
オミクロン株と風邪の違いは「高熱」
新型コロナウイルスに感染すると熱が出る方が多いです。
高熱で来られて検査をすると陽性の方が多いです。ただ熱の持続期間は従来株よりも短い印象があります。
ほとんどの方が大体2~3日以内に平熱に戻って症状も改善しているという傾向から、従来株に比べればかなり軽症であるという印象を持っています。
風邪との見分け方をよく聞かれますが、もともと風邪というのは「風邪症候群」といって、定義は、咳・鼻・喉の3つの症状が同時に同程度存在する病態です。