金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

いなくなったある猫ちゃんのお話

この猫ちゃんは残念ながら引き戻しをかけても目下戻っておりません。

力不足を恥じるばかりです。

 

「タマが居なくなって二ヶ月が過ぎましたが
まだ泣くこともあり、タマの成仏の為にも
早く元気になりたいと思います。

タマは一年程前のある日、突然我が家に現れて、物置下に住み着き半年程かけてなつき飼い始めた6ヶ月程の三毛猫でした。毎朝7時に現れて最初は反対していた父も雪が降り寒くなるからと心配して飼い始めました。

※タマちゃんです

家猫にしようと窓を閉めて出さないようにしましたが、鳴き叫び、網戸を何度も破ったり2階のベランダから逃げ出したりと駄目でした。

そんなタマですが私の帰りを帰り道で待っていてくれる事もあり、私を見つけると鳴きながら走って来て一緒に家に帰ったり、毎日ブラッシングをして、公民館でおいかけっこをして遊んだりと犬のような猫で、私にとってはかけがえの無い存在で毎日タマの顔を見るのが楽しみで私の生きがいでした。

父が昨年6月に突然癌でなくなりましたが
タマがいたお陰で母と悲しみが紛らわされた事も多々ありました。

居なくなったその日はいつもと様子が違い
何度も何度も鳴きながら家に帰ってきて行ったり来たりしていたので
母が今日はどうしたんだろう?と言っていました。
私も どうしたの?と声をかけても大声で騒いで一人で走り回っていました。何かを知らせているようでした。

母がタマは何かを知らせてくれて
きっと私たちの厄災を身代わりになってくれたのではないか。
と言っています。

タマが居なくなる一週間程前に私は2日程
高野山へ出掛けていました。
その時に訳もなくタマが居なくなって
しまうようような不安に襲われ、
母にタマは無事か?いるか?と電話で
確認した事もありました。

身代わりになってくれた
タマの命を無駄にしないためにも自分の人生を全うし、少しでも人のお役にたてるよう頑張りたいと思います。

幸せな時を与えてくれたタマに感謝です。

長々とタマの話をしてしまいすいません。
先生も寒くなって来ましたのでご自愛ください。」

 

この話を紹介した理由は猫ちゃんにはそうした不思議な面があるからです。

ある日やってきてある日いなくなる。でも何かを残していく。そんな猫ちゃんは多いのです。

ワンちゃんはゆりかごから墓場まで本当に家族のようになるけど、猫ちゃんは飼い猫ですらある日ふいっと突然旅に出てしまうこともある。

生死もそのままわからない。本当の心もわからない。

どんなになついていてもそうです。私たちにはわからない部分があるのが猫。

でもどんな猫でも猫が家にいたことには何か意味があったのだと私は思う。ハッキリわからないけどもきっと・・・そうなんだと思います。

猫にはそんなように短い間だけど思い出深く、そしてもの哀しい子がいますね。

 

 

さよなら…いつまでも達者でいてニャ。

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