金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

四無量心の話 1 慈無量心

仏道修行する人が忘れてならないのが四無量心。

慈 悲 喜 捨

これがそろわないとただの善行であって仏道修行とは言えない。

慈はそのまま字の様に慈しみである。

これは密教で普賢菩薩の三昧にあてる。

この慈しみは世間一般でいうただの慈しみではなく、衆生の如来蔵性を愛する慈しみ。

皆、仏性を離れていない。私とあなた、私とあの人、私とこの人、私とだれでも。犬や猫、蛇や虫や小鳥や魚も同じ。

自分とわかちがたい命を愛する。

よく言う「命はみんな同じ」にとどまらない。

命の奥に仏性を見る。

だから仏教の慈悲はヒューマニズムでもなく、エコロジーでもない。

そこをわからないで最近は「仏教ってエコなんです」とか「人間主義のヒューマニズムの宗教です」一緒にしがちだが一知半解というほかはない。

違うのだ。

内なる仏に相照らせば何ものも自分を離れていない同じ仲間だ。

何がきても同じ。

だからただの慈心といわず「無量」の字が付くのだ。