金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

魔道への道

十非心では「 その心念々に大威勢ありて、身口意 纔かに所作あり、一切弭き従わんを欲するは、これ欲界主の心を発して魔道を行ずるなり。」

 

欲界主とは他化自在、第六天魔王ともいう。

この欲望の世の頂点に住む魔王。

その心は上の如く、「大いに威勢を得て、皆なびき従わせたいという心。」

ひたすら貪るがごとく大金持ちや権力者になりたいと願う。

まあ、そういうことでしょうが、これは本当は金や権力が欲しいのでhない。

承認欲求のかたまり。

それも上に見られていないと不安だという心。

人と同列は不安で嫌なんですね。バカにされるかもしれないから。

人に勝ちたい。

そうでないと人からの害を受けるという思いが根底にある。

そういう心は安心はない。

どこまでもモノや権力を集めて敬わせておかないと不安なのだ。

 

聖天信仰は何を望んでもいい。

お金や権力も地位もおおいに結構だが動機は何か?何故それが欲しい?

こう言う動機が心の奥底にあれば、それは欲求の病気だ。

 

本当に欲しいもののダミーばかり貪る。

ダミーだから満足はない。

 

この心、気づかなければそれだけの力があってもついには魔道に到る。

無ければ餓鬼道に落ちる。