ある祈願寺の住職と話した。
むかし、ある行者さんから「この道に入ったら、まあ人並みの幸せは考えないほうはよい」という話を聞いたそうだ。
まあ、わたしも冗談半分で「この道は冥府魔道の道」というが、その心はあながち冗談ではない。
ここでいう「人並みの幸せ」とは何だろうか。
まあ、言っておられる意味は普通に結婚して子供生まれて一家団欒ということかな。
だがたしかにこの普通が難しいこともある。
私なども一人身だが、最近は仕事の上で本当に一人身でよかったと思うことはある。
今度転生しても一人身で行こうかなと思うくらいだ。
それは「幸せを知らぬ人間」という人もあるだろう。
そうかもしれない。
否定は全くしないが、客観的に考えたら養殖のウナギが川に行きたいと思わぬようなものかもしれないね。(笑)
もともと出家になれば文字通りでその家の系譜からは離れるのが本来だ。
世間と比べること自体が意味がない。
現代では僧侶も普通に家庭を持ってるが、ある占いの先生から面白いことをきいた。
軍関係、僧侶、神官は代々やっているうちは障礙はないとのこと。
それをやめたら業が出るそうだ。
なんとなくわかる。
ただ当たり前のことだが、自分が人並みに幸せでないからと言って、「私は祈祷行者になれる」はない。