金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

大河ドラマの呪詛シーン 藤原兼家を調伏する祭文を考察する

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藤原兼家を恨む政敵の。そして藤原家三男の道長の第二夫人。

源明子。

今回のドラマで彼女が兼家調伏のシーンで唱える祭文は実際は存在しないものと思う。

いざなぎ流からもじっているがまぜこぜのイノブタ式だ。

ダキニという言葉が出てくるが、いざなぎ流に知る限りダキニ信仰はない。

「五臓をけわり かきわり」というのはいざなぎ流にもあるが。

あるいは天にトロトロ、地にトロトロというのは霊媒祈祷で使うことは多い言葉だ。

そこからも少しとっているようだ。天トロ地トロと言っていたがあれはない言葉だ。

憑いた神霊を外すとき「天にトロトロ 地にトロトロ 中なる道は神の通い路・・・」というのがある。

呪詛するのにかえしては逆だ。

あの扇も呪詛では本来日の丸を書いて弓などで射るものだがそこまで知るわけないから別に批判するつもりでは毛頭ない。

明子が小弓で祭文を唱えなえながら次々弓を放つ場面があればより現実に近かっただろう。

花山院も計略で出家させられ、大威徳呪をとなえて兼家を調伏する場面があるが、檀構えが顕教立てなのは少々残念。