一病息災という言葉がある。
何かしら一つ持病などを持っていると体全体を気遣い他の病を防いてむしろ長寿を得る。
人生にも色々なハンデがあったり、自分だけの悩みがある。
それは異常ではなく普通のことだ。
仏教でいう八難所、仏教に縁のない八つの難所にウッタラグルというのがある。
地理的には存在しない想像上の国だが、北倶蘆州という国の人は非常に恵まれていて健康で裕福。
だから八難所。
つまり信仰のよすががない。
信仰のよすがなんかなくても幸せならいいじゃないかと思うだろうけど、何一つかけることが無ければ幸せというものもわからない。
食べもの豊富な地域の動物は「ああ、恵まれている!」とは思わない。
過酷な環境の動物も「ここは酷い処」とも思わない。
いずれもそういうものと思っていればそれまでだ。
人生の痛みを知ることは幸せを知ることでもあり、それは信仰のよすがでもある。
人生の一病息災。
人生の不完全をかこつな。
人生の完全を求めるな。
それは当たり前のことなのだ。
横川法語より