今回は二体も有難い聖天様の浴油をさせていただきました。合掌
というわけでいつも拝んでいる第二本尊は今回はまあ良いかな・・・位に想っていたら、今朝方の夢うつつにお姿がどうも出てくる。
「こりゃやらな、どもならん。」ということで急遽、ラスト700遍だけですがお浴油させて頂きました。
この聖天様は真言宗の北野先生が小島流「島投げの聖天」の姿を模して造られたものの一体。
「島投げの聖天」というのは真言宗子島流の元祖、真興という方がその昔、頼まれた聖天さんの祈祷がうまくいかなかった。そこで「聖天メ!」と思って池の中州に聖天様を投げ込んでしまった。
それで島投げの聖天といいます。
怖いことするなアと思うけど昔からそういう大徳はいます。
天台宗でもそういう大徳がいて、お像を叱って谷に放り込んだ話がある。弟子たちが大騒ぎすると、「そう、騒がんでももう帰ってきているだろう。」という。見たらちゃんと聖天様は厨子に入っていたという話があります。
たしかこの話は、法曼流祖の相實大和尚だったかと思います。
近代のお話しではある大本山に聖天堂がありました。見ると絵馬がたくさんかかっている。信者が懸けたのだろうけど、どれも、これも自分勝手で碌な祈願が書いてない。
管主様が「これじゃ仏法にならん!」というので聖天堂を打ち壊してたたんでしまったけど障礙はなかったらしい。
もとより仏法守護の善神ですから聖天様も管主様に賛成だったのでしょう
さて真興さんに話を戻すと・・・
そうするとその晩に夢に聖天さんが出てきて御怒り・・・ではなく詫びられて「お前に秘法を教えてやるからこれで拝め。成就するぞ。」と授けられたのが「聖天三日成就法」という秘法でした。
この秘法、今もありますが残念ながら印がよくわからなくなった部分があって完璧には修せないそうです。
私もありがたいことに子島流の許可灌頂だけは混ぜて頂いたことがあります。
この島投げの尊天の御姿というのが変わっています。
男天尊は立ち位置が普通と逆なんですが、御姿はまあ普通です。
象頭人身。でも女天尊は龍女なんです。
真興さんの夢に出たのがこのお姿だそうです。
そう考えるとこの島投げの聖天様は夢によく出るのかも・・・・。
御姿を見てみたい方は白洲正子先生の「十一面観音巡礼」を見てください。
旧興福寺蔵のお姿の写真が出ています。
昔は怖いのでお祀りした御堂の前をお坊さんも御堂の方は向かず、走って通り過ぎたという話もあるそうな。
悪魔でもあるまいに皆なんでそんなに怖がるのかね?判らん。
確かに聖天様を舐めてかかったり、甘くみる人は決まって大変な事にはなりますけど、別段、祟り神ではないのですからチャンと向かい合えば最高にいい神様なのにね。