金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

光の波紋


虚空蔵菩薩求聞持法というのがあります。

虚空蔵菩薩真言を100万遍唱えるというものです。むろん行なので50日あるいは100日ぶっ通しでやる。
すると見聞きしたものは二度と忘れないという。弘法大師は若いころこれをやったという。
それで昔は「虚空蔵菩薩の求聞持法やって東大に行こう」なんてうたい文句の教団もありました。
それで受験生が殺到した。
親までもが勉強より求聞持法させないとという家もあった。(笑)
今はどういうわけか言わないようですね。

まあ、そんなこと受験のさなかしているくらいなら勉強した方が絶対いいと思うけどね。
無駄とは言いませんが・・・
なぜならば、この法でひらけるのは仏智だと思う。学問の方は勉強しなきゃ無理でしょ。
だって知らないことはいくら秘法でもわかりませんから。
求聞持法やれば東大にいけるという頭が、そもそも東大にいけない頭でしょ。
失礼だけどそう思ってしまう。

 
ある時、外国人の僧侶が大福生寺に見えた。フランスの方だという。
ご夫婦で見えたそうです。
見えたそうですというのは、実は私は奥で寺務を言いつけられていてそれをしていたので実際はあっていないからどんな人だかわからない。

ただなんか話しているようなので、誰かお客さんだなあ…とはわかる。
ところがそのうち、今の客はいったい何者なのだ!と思うようなことを体験しました。

ここの表現が難しいのですが目には見えない光の波紋のようなものが客間から帯状に放出されてくるのです。
ちょうど池に石を投げたときに似て輪が客間を軸に大きく広がって展開する。「なんだ?一体。これは凄いな!」と思った。
目に見えないものを光の波紋だとなぜわかるのか?と言えば、その体感を頭脳で翻訳するとそんな感じとしか言えない。

あとで知ったのですが、実はこの外国の行者さんは「虚空蔵求聞持法」を修行してたずねてこられたそうです。
 なんでも聖天供までするらしい。凄いね。
この行は昔も「是非してみたいな!」と思っていましたが天台には相承が絶えている。
行院で小林栄茂行院長から「昔は天台でもよくやったもんだがね。」というコメントはいただいていました。
「いまは誰もやらんなあ。」といわれた。
それ以前に、山崎泰廣先生の求聞持法講伝というのを、智山派の山路天酬師の御好意で、法友の伊矢野師とともに広島の真言宗青年会主催にまぜて受けさせてもらったこともありました。
でもそれだけで修行をする機会はついぞなかった。
知らず、知らず私はやらないままでいい年になったけど、縁がなかったのかな。
若い人にはぜひやっていただいたらいいなと思う。
とにかく幻覚作用的なことも当然起きてくるようですが、それも今まで使わなかった脳の部分が動き出すため起こるのだと思います。

山崎泰廣先生の場合は部屋のふすま開けた途端、バカでかい如意宝珠が湧出したという。
この法のある指導阿闍梨は行者に蝶々が飛んできたかどうか聞くという話を耳に挟みました。
「そろそろ飛んでくるころかな・・・」
真冬でも真っ赤な蝶々が飛んでくるんだそうです。

まあ、そういう幻覚は人によって違うと思うけど、仏立三昧のように礼拝続けていくと仏さまが出るというようなのもありますね。
そういう幻視体験は前提でこれこれこういうのが出ますというインプットがあって出るのかも。
山崎先生の体験は虚空蔵菩薩の三昧耶形が出現したわけですね。
こうした体験は勿論それ自体が幻視であっても霊的なシグナルだからきわめて重要な意味がある。

いったん脳のその部分が開ければあとはそのままでもオーケー。
よく脳波がアルファー波だのシータ波だのというが、脳というのは分野が拡大すれば普段の状態そのままでもいけるんですね。
脳波はあまり関係ないように思う。

この法も記憶力が増大するのかどうかは知りませんがとにかく脳に変革が起きる法のようです。