金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

薬草喩品 宇宙に呼び掛ける


昨日の天狐様の言葉で少し分かってきたのは「浄菩提心」ということ。
真言密教では如意宝珠に例える。

普通「悟りを求めること」と訳されるけど、この言葉は上座部にはないそうなので同時に「下化衆生」も含まれるといいます。

宇宙にその慈悲を信じる者があればそれに応じて仏の働きが現れる。
仏そのものは宇宙と同質なのだということ。
仏性は宇宙と同じレベルで存在する。
大乗仏教の信仰とはそれを信じることではないのか。

悟りというと何かがわかった!というイメージですが、要はそれが体得されることなんでしょうね。
法華経の「薬草喩品」に菩薩乗を上分の薬草に例え「神通力を備える」と記すことは大きな意味があると思います。
何故、大菩薩は神通力があるのか?
つまり宇宙そのものが仏性であり呼応してくれるのだということ。
それを知るのもが大菩薩でしょう。

悟ればそれがわかるということではない。それは逆。
それがわかるのが即悟りなのではないのかしら。
だから密教はその部分だけ先取りする。凡夫も三密加持により宇宙によびかければ大菩薩と同様に神通力を発揮する。それが凡下のこの身を改めずしてなる即身成仏ということではないのかな。


呼びかけるなら宇宙は答えてくれる。理密教である法華経にはその秘密が示されている。
だが、それを知らなければ誰も宇宙には呼びかけない。
ここに大乗仏教では真理は冷たい法則ではなく暖かい生き物なのだという考えが生まれる。ここは大乗仏教の大発見です。
法身如来とはそういう存在。
木や石にも仏性があるというのは日本仏教だけらしいけど、法界即如来であれば当然そうなる。

だからあなたよ。宇宙に呼び掛けてみたらいい。