金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

身体の除湿  身体を軽くする台湾の薬膳スープ 四神湯 松江堂薬局のブログ

 

 

天人相応で湿気の多いこの時期には人の体の中にも湿が溜まりやすくなります。

湿は目には見えない湿気で、外が蒸し暑いとついうっかりの冷たいものの過飲によりどんどん胃の中に入っていき溜まっつていきます。

お腹が張ってきて、身体は重だるくなり、頭はボーッとしてしまいます。また急に腹痛になり下痢になったりします。

身体は水を含んだスポンジの様になり、湿が外に漏れ出すと肌が汗ばみ臭くなり、目やにが出たり股間が痒くなります。

薬膳というと日本人はすぐに営養のあるものをとりがちです。だから夏になると鰻を食べて精力をつけようというプラスの発想ですね。

しかし身体に溜まった湿を取り除くというマイナスの発想がこの時期は必要です。

日本よりも南にある国、台湾は湿度が高く、台風もよく来ます。それゆえ「去湿(きょしつ)」という発想が定着していて

去湿の効果がある薬草のお茶(ハトムギ、小豆)やスープを使っています。

 

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四神湯

 

四神湯は台湾でよく食べられている薬膳スープで、清朝の乾隆帝が南方を視察した折に疲労困憊して倒れてしまった同行の四人の大臣のために医師に

作らせた処方が由来です。非常に効果があり大臣たちは回復したので四臣湯と呼ばれていましたが、それが四神湯に名前が変わりました。

 

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乾隆帝 地方視察の図

 

材料は 山薬(山芋)、茯苓、蓮子(ハスの実)、芡実(オニバスの種子)です。今は台湾では芡実の替わりにハトムギを使っています。

山薬は精をつける。茯苓、ハトムギは消化管のなかの湿を取り去り、蓮子は下痢を止めるほか精神を安定させます。

これらの薬材に豚モツ(タンパク質の補給)を入れて料理したスープです。

僕はなかなか料理ができませんが、参苓白朮散の処方は、山薬、白朮、人参、茯苓、甘草、蓮子、薏苡仁(はとむぎ)、扁豆、桔梗、縮砂。

四神湯の薬材が含まれていますので、これで亀戸ホルモン食べれば同じことになりますね。