アグニホ―トラ。火天護摩です。
アグニ(火天)は最も護摩で重要な尊格です。
火天を祈らぬ護摩はありません。一壇での火供なら本来は火天の供養が本義でこれを大日如来と習います。
修験道などでは峯中で柴を焚いて単に慈救呪など唱えて簡略に供養をしたりもしますが、密教の護摩では火天を欠かすことはできません
蘇油を溶解するところは日本の密教護摩では簡単な所作になっていますがかなり重要な部分になります。
このホートラでは主な供物は蘇油ですね。
また四方から祈るのは大壇に飾る四面器の起こりを連想します。
護摩の壇図も四面器をそろえたものもあります。
インドでは樟脳などを焚いてデーヴァ(神々)を供養し場所を浄化することもするようですが、これもある意味、簡素な護摩供養なのでしょう。
ヴァートゥ(インド家相術)で家相が悪い場所などするようです。
インドでは南西(密教でいうニルリティの方角)が最も忌む場所と言います。
ニルリティはラークシャサ( 羅刹 )のことで、不動尊の本来の方位でもあります。
その意味で不動尊は羅刹から出た尊格ともいえるのかもしれません