金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

クリスマスです

クリスマスですね。
今日、所用で町に入ったら可愛いサンタの乗ったケーキがあちこちで売られていました。
おいしそうだけど食べきれないね。一人二人じゃ。
年々、イエス様ならぬサンタ様のおまつりになっていく日本のクリスマス。
まあ、ケーキ食べるくらいならクリスチャンでなくてもいいとは思うけど・・・。
クリスマスの雰囲気は嫌いじゃないんですが半面私はこの日本の宗教に対する軽さを考えると嫌だなとも思うのです。

なんと!最近ではクリスマスがイエスキリストの生誕日を祝うものだと知らない若者もいるみたいですね。
もっとも本当の誕生日ではないらしいね。元来は冬至のお祭りとのことらしい。冬至なんて一体何がどうめでたいのかしらね。寒いし昏いし・・・・と冬大嫌いな私は思ってしまうのですが。

うちはお寺だけど十字架のアクセサリー付けてお参りにくる人がいるとクリスチャンかどうか尋ねます。
クリスチャンなら別に咎めないけどそうでないというならここでははずすようにいいます。信じてもいない宗教を飾り物にするのはよろしくないですね。
「そんなのあたしの勝手でしょ!?」と云う人はもちろんおっしゃるとおりです。勝手です。
だけどそういう人には帰ってもらうのも私の勝手でございます。

ある新興宗教に某宗の僧侶がいったら「その袈裟は外してください。」と言われた話を聞きました。
これは無礼ですね。
その方の宗教なのですから尊重されないといけません。

だからクリスチャンならうちも十字架オーケーなんです。
マア、でも本当のクリスチャンは寺にお参り来ないわな。
ついでながらキリスト教のお葬式に数珠持って行っていいの?という質問がありましたが自分の宗教は仏教なんだから一向構いません。
逆にクリスチャンが仏式の葬式に行くならなら焼香しないでも一礼だけでオーケーです。
それはいけないというのは宗教的無智です。
イスラム教徒が数珠持って焼香なんてしません。そうイメージすればわかるでしょ。

同じく「腕念珠って置いてないですか~?」なんて信者さんで知り合いの子から頼まれてという人もいるけど私はまず「その方は仏様や仏教を信仰しているの?」と聞きます。
「○○なのがいいんだけど、とりよせられますか?」なんて聞く方もいますけど、仏教徒と違うならそんなのつけるの辞めておきなさいとまで言います。
第一、当院はお数珠屋じゃないからね。
こういう私の態度は何とも偏狭と思うかもね。
でも、こういうところは頑固ですから譲りません。

だって失礼じゃないですか?
ファッションで数珠や十字架をアクセサリーにするなんて。キリスト教に対してだってそうですよ。
真面目なクリスチャンはきっと私と同じように考えるんじゃないかな・・・・。

最近は世の中、何でもお客様モード。
どこだかのスーパーが法事や葬式までおっぱじめてお客様本位でサービスとかいっていたらしいけど・・・・。
宗教は物売りじゃございません。宗教では「お客様は神様」じゃないんです。神様仏様は祭壇にちゃんといますからね。
アンタが神様じゃないです。

葬式でもうちは戒名はいらないからとか、出張祈願でも線香は嫌いだから立てないで・・・とかそういうお客様的なご注文はあり得ません。
どんな宗教であれ宗教に頼むならその宗教の在り方に従うのが本義です。
仏教の場合はここまで来ちゃったのも情けないことに仏教者の怠慢と不信心の結果としか思えませんね。

ずうっと前にどうしても御加持してくれというのでしてあげたら錫杖がうるさく感じたらしく「私、こういううるさいのは嫌いなんです。そんなのじゃなくてもっと静かな御祈祷がいいんですよ。」と文句たれるのがいたもんだ。
なんかのサービス業と間違えてんじゃないの。アンタ。
こういう人はおととい来てください。
ついこの前にもお化けが出るので来てお祓いしてほしいという知人の紹介で、お化けかどうかわからないから先に話をしないと・・・・言ったら先様は「じゃあいい」というお話し。
「じゃあいい」はお互い様です。

うちは宗教でサービス業ではございません。神仏のもとに救いを求めるのに「おい、お前、こっちはわざわざ来てやったんだぞ!」なんていうお偉いお方にはお出まし頂かなくて結構でございます。
勘違いしちゃいけませんね。
寺に来るのはお客様じゃなく参詣者ですよ。