金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

困ったときの伎芸天様

去年くらいから聖天供の中で伎芸天を拝んでいます。
伎芸天様は歓喜天の姉上とも妹君とも言いますが、いずれにしても聖天尊の兄弟に当たり、歓喜天の霊験の遅いので困ったときには伎芸天真言を加えよという口伝があるので拝んでいるわけなのですが、天台にはこの相承はなく真言家の方から深沙大将法とともに授けていただきました。
その方からも「よく拝みますね。真言宗でもこんなの拝む人ほとんどいないですよ。」といわれました。
伎芸天は白檀で作った10センチにも満たぬ小像です。
深沙大将は製作中です。
この伎芸天は実は大自在天の頂から生まれたといいます。なので「大自在頂生天女」の異名があります。
ヒンドゥー教の修行者でもある弟子の I 君に言わすとこれはガンガー女神のことではないかといいます。彼も私と同じのを作って祀っています。
シヴァの頂から流れ落ちる水がガンガーつまりガンジス川で、実は仏典でも「恒河善女天」という女神があります。ガンジス川の神です。
これは悪口ではないのですが秋篠寺の伎芸天、実は伎芸天ではないとの話も良く出るのですが、いずれにしても儀軌から離れた姿です。でも日本で伎芸天と言えばまずもって世間では秋篠寺ですね。これは間違いない。
だからよほどしっかり言わないと今の仏師は秋篠寺モデルの伎芸天を彫ってきます。仏師は儀軌みませんので。
昔の仏師は儀軌を見た。だから皆、得度して法橋とか法眼、法印になって在家の行者になっていたわけです。そうでないと儀軌はみられないので。
伎芸天は右手で裳裾をひねり左手に華盆を持つ姿ですが元々は一天華ということになっています。
この天を信仰したら後は長く災難は絶えて安泰だといいますから聖天尊と二つながら実に有難いご誓願の天尊です。
此れが本当なら涙が出るほどありがたいですね。
本当と信じることがそのまま救いです。
さて、実際ご利益の成就が早くなるということの是非はどう?
皆さんはこちらに興味あると思いますが・・・・
実は毎座拝んでいるので早くなったのかどうかはわかりません。
同じように遅いときは軍荼利尊を頼めという方法もあるのですが、こちらは伎芸天に比べて忿怒尊に呵責してもらうという次第なので本当に大変な時だけの方法でしょうね。
(でも毘那夜迦信仰の取り消しは軍荼利様に頼むのが良いのです。)
伎芸天は結構気に入って浴油中は毎座拝んでおります。
「オンボマケイジンバラヤウキマボウシキャヤソワカ」というのが御真言です。
そしたら弟子で聖天さんの浴油やっている人がどうも畳の上に御花が咲いて出てくる夢を見る。この人そういう感がある人です。
それがどうも気になるというので花つながりで伎芸天の話をしたらピンときたらしく現在彼女もお祀りしています。