金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

行き詰まったら人物伝を読む

私の子どもの頃は偉人伝と言うのが結構出版されていました。

最近は偉人伝と言ういい方はあまりしないようですが・・・

 

私は単に歴史的なおはなしでは無く人としてどんな人が偉人なのかをあえて価値観として盛り込んだ「偉人伝」とか「偉人物語」という言い方が好きですね。

それは感動を残すからです。

若いころに読んだ本に英国のヴィクトリア女王がアフリカの行使を晩餐に招待したら、その人はフィンガーボールを知らなかったのでその水を飲んでしまった。

並居る諸侯が爆笑しそうなのを見てとった女王はすかさず、それを制しようと自分もフィンガーボールの水を飲んだといういう美しい逸話を読みました。

「ああ、すごいな。この女王は、そうでなくては。」という気持ちが今に残っています。ヴィクトリア女王が歴史のなかでほかにどんなことをしたかはよく知りませんが、この逸話の中では紛れもなく女王は偉大な人です。

偉人伝の役割はそれで充分です。

女王のあら捜しがしたいなら歴史書の方ですればいい。

 

価値観はそれぞれですが社会にとって感銘や感動を呼ぶ行いと言うのはそう変わらないでしょう。

戦前の少年雑誌にムッソリーニの偉大な人である逸話が出ていましたが。これも部分的にではあっても嘘ではないと思います。

実際ムッソリーニを熱狂的に祭り上げたのもイタリア国民なら、失脚した彼の死体をつるして石撃ったのも同じ国民です。

アッピール性は十分あったのでしょう。

日本でも比叡山焼き討ちや敵を降伏を許さず皆殺しにした織田信長は偉人なのかどうか…とかいうお話はありますが、そんな人にも見過ごせない大きな役割があったのは事実です。

織田信長の似顔絵イラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

また見習うべき側面もあるでしょう。

そうでない側面もあってはいけない反面教師の部分も。

 

そして人生に行き詰まったら、身投げなんかしないで色々な人物伝を図書館に行って読んでほしい。

どんな歴史的な偉大な人でも残らず危機に直面している。

 

歴史的に大きな役割を果たした人でも安閑として偉人になった人など一人としていないんです。偉人伝は私たちに勇気をくれます。

偉人も我ら凡人もそこは同じですから。