ツインタワーの崩壊 9・11テロは約6000人が被災し、その半数近くの命を一瞬にして奪った残虐無比な犯罪だ。
だが見た目の残虐さに目を奪われるあまり、なぜこうした酷いことが行われたのか、米国や欧州がそれまでアラブで何をしてきたかも考えないと真の闇は晴れないのではないのか。
それでは問題は解決しない。
テロの実行を行った彼らは単なる宗教的狂人の類ではない。
そしてツインタワーで消えた人々の真の敵は必ずしもアラブの過激派だけではない。
欧州の国々はアラブを分断し、アメリカや当時のソ連も中東の戦いの裏で多くのアラブ人の血を吸って肥え太ってきたのだといってもあながち間違いではない歴史がある。
イラク戦争当時でも多くのアメリカの閣僚がみなそうした軍需産業で莫大な利益を得てきた人たちだ。
起こったことのみに限定して考えるなら「あまりに残酷無残だ!」「絶対テロはゆるせない!」そう思うのはもっともだ。
だが、それ以前に目を向ける人は少ないように思う。
この事件が起きた直後、テレビインタビューである国際学者が言っていた言葉は今でも忘れない。
「こういうことがおきるようなことが、今までアラブで行われてきたということだと思う。」
その時は私はまたこの人はえらいことを言うものだなと思ったが・・・・。
よく覚えていないが、その後は断固イスラム過激派を打つべし!というような声しか聞こえなくなった。そしてそれが絶対の正義の様に喧伝された。
週刊誌でも世界で最も嫌な奴のナンバーワンにオサマヴィンラディンが挙げられ悪魔のように言われた。
アメリカならぬ日本でもみなそう思った。
世界はいつもそのようにしか考えない。
東京裁判から何も変わらない。
あの学者は追放されたのだろうか。